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 社内に手本となる先輩・上司がおらず,自分の将来像を描けない。仕事がマンネリ化して充実感が乏しい──。懇意にしているITエンジニアから,こんな話を聞くことがある。たとえ優秀なITエンジニアであっても,一定のスキルが身に付き一人前として周囲に認められると,現状に甘んじて次なる目標を見失うことになりがちなのだろう。厳しい言い方をすれば,中だるみを招いてしまうというわけだ。

 一方で,周りの誰からも認められる存在になっても,中だるみとはまるで無縁。自らのスキルを伸ばすべく,精力的に仕事に取り組む。そんなITエンジニアが,あなたの周りにもきっといるだろう。その差はどこから来るのだろうか。ミドルウエアの開発・販売やシステムの受託開発を手掛けるサイバーテックの白井千晶氏(取締役 ソフトウェア開発部 部長)の場合,活力の源にしているのは社外のコミュニティである。

社外のコミュニティに参加し,自らも立ち上げる

 白井氏が定期的に参加しているコミュニティには,研究会や異業種交流会など様々なものがある。例えば,日本科学技術連盟(日科技連)が主宰する「ソフトウェア生産管理研究委員会」のワーキング・グループ。8人ほどのメンバーが1~2カ月ごとに集まり,開発プロセスの標準化について議論する。外部向けのセミナーを開いており,そのときには白井氏が講師を務めることもある。

 同氏が参加しているコミュニティをもう一つ挙げると,「D-Alley」がある。隔月で開催される立食パーティ形式のコミュニティで,主宰者の村中修氏(アンツビズシェア代表取締役)の人脈を中心に,20~30代のSE(システム・エンジニア)やプログラマ,営業担当者など毎回40人ほどが集まる。白井氏は「ポッポさん」の愛称で知られており,缶ビールを片手に談笑し,ときには新しい技術に関して熱っぽい議論を交わす。

 白井氏はこう話す。「社外のコミュニティに参加することで,MDA(Model Driven Architecture)のような新しい取り組みにチャレンジしているエンジニアの話が聞ける。それが刺激となって,自分でも新しいことに取り込んでみようという意欲がわく」。

 この言葉が実感を伴うものである証拠に,白井氏は昨年,自ら新しいコミュニティを立ち上げた。それが「ソフトウェアエンジニアの会」である。D-Alleyと同じく立食パーティ形式で,参加者をあえてソフトウエア・エンジニアに絞った。「ソフトウエア開発について,より突っ込んだ話をできる場が欲しかった」(白井氏)からだ。職種を絞り込んだが,白井氏の人脈の広さもあり,今では毎回20~30人が参加するコミュニティになっている。白井氏は,「社外の優秀なエンジニアと太い関係を築き,話し合える貴重な機会」として効果を実感しているという。

毎週10時間以上をコミュニティの活動に費やす

 社外のコミュニティに参加することによって,人脈を広げ,そこから刺激を得て,新しい取り組みにチャレンジする意欲につなげる。そんなエンジニアは少なくない。参加するのは時間に余裕があるから,というわけではない。むしろ忙しい中で時間を捻出し,コミュニティに参加しているのだ。

 例えば日本ユニシスの新村剛史氏は,Visual Studioのユーザーグループ「VSUG」とオープンソースの普及団体である「Seasarファウンデーション」という二つのコミュニティに参加し,どちらでも運営者側の一人として活動している。コミュニティの運営には雑務も多く,そのために費やす時間は毎週10時間を超えるという。コミュニティでの活動は会社公認とは言え,両立は簡単ではないはずだ。

 それでも新村氏にとって,コミュニティの活動は苦にならないという。「誰しもそうだと思うが,勤務先で興味のある仕事ばかりを担当できるわけではない。それだけに自分で面白いと思うテーマに関して一流のエンジニアが集まるコミュニティに参加することは,時間を捻出してでも続ける価値がある」。

中心メンバーになることでより大きな価値を得られる

 積極的にコミュニティに参加するエンジニアがいる一方で,否定的な考えを持つ人もいるだろう。もちろん,一口にコミュニティと言っても玉石混淆(ぎょくせきこんこう)である。誘われて参加してみたが何も得るところがない,ということもあるはずだ。

 しかしコミュニティは数多く存在する。いくつか参加しただけで判断するのは早計ではないだろうか。自分にとって参加する意義の大きいコミュニティは探せば見つかるはず。その上で重要なのは,単に参加するだけでなく,中心メンバーになるべく積極的に活動することだ。「中心メンバーになっていく過程で,他のメンバーとの関係が強くなり,自分にとってより大きな価値を得られる」(新村氏)。

 日経SYSTEMSでは2007年3月号(2007年2月末発行)で,ITエンジニアが集まるコミュニティを紹介する記事を企画している。読者の方が自分に合ったコミュニティを探す一助にしてほしい,というのが企画の趣旨である。

 そのため皆さんに,コミュニティの情報提供をお願いしたい。ITエンジニアが中心となっていること,オープンに参加者を募っており紹介用のWebサイトがあること,実際に集まる機会を年に1回以上は設けていること,営利目的ではないこと,という四つの条件を満たすコミュニティの情報を募集している。主宰者による自薦,参加者などによる他薦を問わない。この記事の下にあるアンケート欄にぜひ情報をご記入いただきたい。

■コミュニティの名称

■コミュニティの情報を見られるWebページのURL

■主たる活動地域(例:全国,首都圏,大阪府)

■概要(ご存じの範囲で,コミュニティの目的,参加者の人数と職種などの構成,会合の開催頻度,会費などをご記入ください)

※ ご提供くださった情報は,日経SYSTEMS2007年3月号の特集記事の参考にさせていただきます。なお,ご紹介いただいたコミュニティのすべてを記事に掲載するとは限らないことをご了承ください。記事は日経SYSTEMSから主宰団体や主宰者の方に連絡を取り,ご承諾を得た上で掲載します。