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 新年早々,IT業界のビッグ・イベントが米国で開幕する。ラスベガスで1月8日(米国時間)から始まる「International CES(Consumer Electronics Show)」と,サンフランシスコで1月9日(同)から始まる「Macworld San Francisco」だ。例年はCESの翌週に開催されるMacworldだが,今年は両者の開催時期が被った。CESとMacworldのどちらからビッグなニュースが飛び出すのか,注目して頂きたい。

 CESはその名の通り「家電ショー」であり,ソニー,松下電器産業,日立製作所,東芝,シャープ,三洋電機,韓国Samsung Electronics,韓国LG Electronics,蘭Philipsといった世界中の名だたる家電メーカーに加えて,米Microsoft,米Intel,米Advanced Micro Devices,米Hewlett-Packard,米Dell,米Motorola,フィンランドNokiaといったIT業界の大手企業も出展する。一方のMacworldは,米IDGが主催するMac専門の展示会であり,出展する大手企業は米Appleぐらいだ。

 しかしご存じの通り,デジタル家電業界の台風の目は「iPod」や「iTunes Store」で成功したAppleである。CESに参加する各社の動向よりも,Appleの動向を気にする読者も多いだろう。「CES対Macworld」とはすなわち,「Apple以外の家電メーカー対Apple」であるが,どちらからより大きな「家電業界ニュース」が飛び出すかは,予断を許さないところだ。

 しかも,Appleとそれ以外の家電メーカーとでは,その立ち位置も対照的である。つまりAppleは,コンテンツ配信サービス(iTunes Store)とコンテンツ管理ソフトウエア(iTunes),コンテンツ再生装置(iPod)のすべてを1社で提供する「垂直統合型」のメーカーであり,そこに他の家電メーカーが立ち入る余地はない。Appleは既にSTB(セットトップ・ボックス)の「iTV」(開発コード名)を2007年に投入することも予告している。デジタル家電の本命であるテレビを巡っても,「Apple以外の家電メーカー対Apple」という構図が出現する可能性もあるのだ。

 iTVの話題ばかり書いたが,念のために言うと,iTVがMacworldの目玉になると決まったわけではない(iTVの詳細が発表されない可能性もある)。Mac OSの新バージョンである「Leopard」や新型の「iPod」(全面液晶タッチパネル?),新しい「Mac Book」や「Mac Pro」が目玉になる可能性も高い。

今年のCESは「放送・通信のCES」

 一方のCESは,何が目玉になるだろうか。昨年のCESは,Microsoft,ソニー,Intel,米Yahoo!,米Googleが基調講演を行うという「ITのCES」であった。今年のCESで基調講演を行うのは,Microsoft,Motorola,Walt Disney,Dell,米CBSである。Microsoftが基調講演を行うのは毎年のことなので,基調講演から見た今年のCESは「放送・通信のCES」と言えるだろう。2007年は「モバイルWiMAX」といった新しい通信サービスが立ち上がる年でもある。放送・通信の分野に,ぜひ注目して頂きたい。

 「家電ショー」であるCESをITproで取り上げるのは,ここ数年,IT分野の新技術が,企業分野(エンタープライズ)よりもまず,消費者分野(コンシューマ)で採用される傾向が強まっているからだ。米Gartnerではこのような動きを「ITコンシューマライゼーション」と呼んでいる(関連記事:第2次インターネット革命の衝撃)。ITproとしても,「ITコンシューマライゼーション」の視点でCESを取り上げる予定である。

 ITproからは今年,筆者を含む2名の記者がCESに派遣される。また「日経パソコン」からも記者1名がCESに派遣され,ニュースがITproに掲載される予定である。昨年ITproに掲載されたCESのニュースは,筆者1名が執筆したものだけだったが,今年は3倍の陣容でニュースをお届けする予定だ。

 また筆者は1月8日(米国時間)夜にサンフランシスコに移動し,1月9日(同)に行われるAppleのSteve Jobs氏によるMacworld基調講演を取材する予定である。この「記者の眼」にも1月中旬に再度登場し,CESとMacworldを総括する予定なので,ご期待頂きたい。