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 「日経BPガバメントテクノロジー」という雑誌の性格上,地方自治体の議会ページを参照することが時々ある。そこで常々気になっていたのは,議会サイトの使いにくさだ。トップページと各ページのナビゲーションメニューが統一されていないなど,どうにも使いにくいサイトが多いのだ。

 そこで,都道府県の議会サイトについて,簡単に調べてみることにした。本来であれば,かつて日経BPコンサルティングが実施した「自治体サイトユーザビリティ調査」のように,きちんと網羅的に項目をチェックすべきなのだが,まずは取り急ぎ,都道府県議会の会議録検索のページについて「フレーム使用の有無」「議会ページから別ウィンドウにジャンプするかどうか」「議会の他のページと,メニューのデザインの統一が取れているか」の3点に限って,チェックしてみることにした。

 会議録検索のページを選んだのは,私がこれまでいくつかの議会サイトを訪れた経験から,特にユーザビリティに問題がありそうだと「当たり」をつけたということが理由である。チェックした3項目のうち,「できるだけフレームは使わない」「別ウインドウにジャンプしない」という項目は,ウェブコンテンツJIS(JIS X 8341-3)にも明記されている項目だ(注)。いずれも,音声読み上げソフトでのページの読み上げやページ把握が難しくなる要因となる。Webアクセシビリティの基本的なチェックポイントは他にもいくつかあるが,今回は議会サイトをまずは簡易にチェックしてみるのが目的だったので,見た目で判断しやすいこの2つの項目を選んだ。もう1つのチェック項目である「メニューのデザインの統一」は,Webサイトのユーザビリティ確保の基本である。

(注) 同規格には,「5.2.f)フレームは,必要以上に用いないことが望ましい。使用するときは,各フレームの役割が明確になるように配慮しなければならない。」「5.3.e)利用者の意思に反して,又は利用者が認識若しくは予期することが困難な形で,ページの全部若しくは一部を自動的に更新したり,別のページに移動したり,又は新しいページを開いたりしてはならない」とある。

 チェックした結果は,予想以上に低調だった(次ページの表「都道府県議会サイトの会議録検索ページの状況」を参照)。「フレームを使用せず」かつ「別ページにジャンプしていない」,アクセシビリティに配慮した会議録検索ページを用意していたのは,47都道府県のうち和歌山県議会のみだった。ページメニューのデザインの統一が取れているサイトはいくつかあったが,秋田県議会を除いてすべてフレームでメニューを分割したもので,感心できるものではなかった(秋田県議会でも,検索結果のページではフレームを使用していた)。会議録検索だけ別サーバーとなっていたり,ASPサービスを利用したりしているケースだと,デザインの改善や統一がしにくい面もあるのかもしれない。だが,議会の会議録という公共的なコンテンツの性格を考えると,「だから仕方ない」「そのままでいい」とは,やはり言い難いと私は思う。

地方議会サイトに共通の「ユニバーサルメニュー」を

 さて,今回この記事を書いた目的は,個々の議会サイトの個別項目を取り上げて「なってない!」と批判することではない。せっかくの「記者の眼」という場なのだから,地方議会サイトに対して1つ提案をしたいと思う。それは,地方議会における「ユニバーサルメニュー」の考え方の採用である。

 聞き慣れない言葉かもしれないが「ユニバーサルメニュー」とは,Webコンサルタントで独立非営利団体「アスコエ」の代表でもある安井秀行氏が,自治体サイトに対して提唱している概念だ。「各自治体が提供している基本的なサービスの類型やメニューの見せ方・カテゴリー分けは,どの自治体も同じに出来るはず」という考えから,自治体間でWebサイトのメニューをユーザー視点で標準化しようという提案である(「アスコエ」のサイト内にあるユニバーサルメニューの紹介ページはこちら)。

 市民生活全般についてのサービスに関する情報を網羅している自治体サイトより,議会の方がサイトで提供すべき基本的なメニュー項目数は圧倒的に少ない。しかも,「議会・議員の紹介」「日程」「傍聴」「会議録閲覧・検索」など,どの議会サイトを見ても似たり寄ったりのメニューである。だとすれば,自治体サイトと比べても,議会サイトはさらに標準化が進めやすいはずだと思うのだが,どうだろうか。