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 順調に契約者数を伸ばすNTTのBフレッツ。その牽引役の1つになっているのが,IP電話サービス「ひかり電話」だろう。私もすでに2年近くひかり電話を利用しているのだが,ここ半年に3度ほど,トラブルに遭遇した。1回目は2006年9月に発生した,ひかり電話がつながりにくいというトラブルだ。これについては過渡的なトラブルととらえていた。だが,2回目,3回目のトラブルでは,その対応にやや疑問を感じた。

ルーターの電源を入れ直すとひかり電話がつながらない

 2回目と3回目に発生したトラブルの要因は共通で,ひかり電話対応ルーター「WBC V110M」の電源を入れ直すと,ひかり電話が利用できないというものだ。

 2回目のトラブルは2006年12月の深夜0時すぎに起きた。インターネット接続ができなくなったので仕方なくひかり電話対応ルーターなどの電源を入れ直して回復を試みたことがきっかけだった。インターネット接続は回復したのだが,ひかり電話は使えなくなってしまった。ひかり電話対応ルーターの電源を何度入れ直しても,結果は変わらなかった。

 翌朝,仕方なく携帯電話からNTT東日本の故障受付窓口に電話をかけると,「5分程度電源を切り,改めて電源を入れてほしい」とのことだった。実際,この通りに操作したら,ひかり電話が利用できるようになったので,そのときは気にも留めなかった。

 3回目のトラブルは2007年2月のとある日曜日の午後,部屋の模様替えの際にひかり電話対応ルーターを移動させたときのことだ。移動させてから電源を入れると,ひかり電話が利用できなくなった。再び携帯電話でNTT東日本の故障受付窓口に電話をするがオペレータにはつながらず,ひかり電話と携帯電話の番号を伝言に残した。

 その後,30分ほどしてもNTT東日本から連絡はなく,自力で回復を試み始めた。何回かひかり電話対応ルーターの電源を入れ直したが回復せず,どうしたものかと思っていたときに,2回目のトラブルのことを思い出した。5分ほど電源を切ったままにしてから入れ直したら,ひかり電話が利用できるようになった。

 NTT東日本から連絡があったのは,約3時間後。すでに自力で解決した後で,しかもひかり電話にかかってきた。聞いてみると,携帯電話はつながらなかったので連絡が遅くなったという。さらに確認すると,携帯電話番号が正しく伝わっていなかったのである。そのときは,ひかり電話が使えるようになっていたうえ,来客もあったので,そのまま電話を切った。

 しかし,冷静に考えてみると,ひかり電話対応ルーターの電源を入れ直すときに,毎回5分間待たねばならないとしたら,これは問題だろう。電源の瞬断があったら,ひかり電話は使えないことになる。緊急時に同様のことが発生したら,とても5分は待っていられない。後日改めてサポートに問い合わせてみた。

回線に近い方から電源を入れる

 サポートに聞いてみると,まず分かったことが,5分間待ってから接続し直すのには意味があり,それでほぼ解決するらしいことだ。ひかり電話は,対応ルーターの電源が入ったときに,ひかり電話の設定サーバーに自動的に接続し,利用に必要な情報をダウンロードする仕組みとなっている。これに1度失敗すると,5分ほど待たないと設定サーバーに再接続できないというのがその理由だという。だが,それでは私の環境で,対応ルーターの電源を入れ直すと,毎回ひかり電話に接続できなくなるという説明にはならない。

 さらに聞いてみたところ,ひかり電話対応ルーターをPPPoEブリッジモードで利用していて,配下のルーターから先にインターネット接続してしまうと,ひかり電話に接続できないことが分かった。つまり,ひかり電話を使うには,ひかり電話対応ルーターの電源を入れるときにインターネット接続は止めておく必要があるのだ。

 これを回避するには,対応ルーターの電源を入れ直すときに順番に気をつける必要がある。つまり,回線終端装置,ひかり電話対応ルーター,インターネット接続に利用するルーターの順に電源を入れ直す必要があるのだという。

 確かに,この順番に電源を入れ,特にひかり電話対応ルーターで「VoIP」のLEDが点灯する(ひかり電話が利用可能になる)のを確認してから,配下のルーターの電源を入れれば,問題が発生しないことがわかった。

 私自身,これで問題は解決したと思った。だが,停電が起きたときに電力供給が回復しても,ひかり電話は使えないままの可能性が高い。なぜなら,回線終端装置,ひかり電話対応ルーター,配下のルーターの電源が同時に入ることになり,ひかり電話が使えるようになる前に,インターネット接続されてしまう可能性が高いからだ。これでは,やはり完全な解決にはならない。

ユーザーにスキルを期待している?

 そこで,さらに調べたところ,次のことが判明した。私のような事象は,次の3つの条件が重なった場合に発生する。1つ目がひかり電話対応ルーターとして「WBC V110M」を利用していること。2つ目がインターネット接続にPPPoEブリッジモードを使っていること。3つ目が,ファームウエアのバージョンが最新の「Ver.02.00.0002」になっていない場合だ。

 つまり,光電話対応ルーターのファームウエアさえ最新版に上げれば,問題が解決したのだ。事実,ファームウエアを最新のものに上げると,私の環境でも上記のような問題はなくなった。

 2回目,3回目のトラブルは,ひかり電話対応ルーターのバージョンを最新にしていなかったので,私自身に問題がないとは言い切れない。だが,サポートなどの対応に,いくつか疑問を感じたのも事実だ。

 1つは,最終的な解決策をサポートが提示してくれなかったこと。最新ファームウエアで対策がなされていたのは,NTT東日本自身も問題として認識していたからにほかならない。にも関わらず,それを問い合わせてきたユーザーに伝えていない。「ひかり電話が使えるようにすることを優先した」と好意的に解釈したいが,併せて最新ファームにより根本的な解決方法も伝えるべきではないかと思う。

 もう1つ感じられたのが,ひかり電話ユーザーに対し,NTT東日本が一般加入電話ユーザー以上のスキルを期待しているのではないかという点。たとえば,私の問い合わせに対し,回線終端装置,光電話対応ルーター,配下のルーターの順に電源を入れることを求めた。私自身,そのような操作方法を1年後に覚えている自信はなく,家族にもそのことを求めるのは難しいと思っている。

 さらに,ひかり電話対応ルーターの保守という点だ。私がひかり電話対応ルーターのファームウエアのバージョンアップをしていなかったのは,最新版があると思っていなかったからだ。理由は単純で,本来新版のファームウエアがある場合には,受話器をとったときに「ピーピーピーピー」と通知音が鳴るはずなのだが,私の環境では鳴らなかったのだ。しかも,以前はこの機能を利用できていて,実際にファームウエアのアップデートをしたことがあったので,「通知音が鳴らない=新ファームはない」と思っていたのである。

 今回の件があって,改めてNTT東日本のホームページをチェックしてみると,確かに「環境によっては通知音がならない場合がある」とある。このことは,最終的にはユーザーは定期的にパソコンでひかり電話対応ルーターの設定画面をチェックし,新しいファームウエアがないか確認しなければならないということを意味している。つまり,パソコンでひかり電話対応ルーターの設定・保守を行えるスキルをユーザーに求めているわけだ。

 こういった手順や保守は,一般加入電話では求められなかったことだ。ひかり電話がIP電話である以上,仕方のない部分もあるのかもしれない。だが,一般加入電話からの同番移行もできるサービスであることをウリにしているのだから,ユーザーがこういったことを意識しないで使えるサービスであってほしいと思う。今後は,ネットワークゲームや映像配信サービスを目的にBフレッツへの加入を決め,ひかり電話も利用するユーザーが増えることが考えればなおさらだ。

 幸い,最新のファームウエアでは,自動アップデート機能が追加された。初期設定では有効になっていないため,一度は設定する必要があるが,それさえできればほぼ自動的に最新版にアップデートされるのではないかと期待している。将来的には,ファームの自動アップデートだけでなく,ひかり電話に関わる部分については,リモート保守できるようにするなど,ユーザーが特に意識しなくても問題なく利用できるようになることを期待したい。