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 アジアで,オープンソース・ソフトウエアの普及を推進しようとする動きが進んでいる。


インドネシアで開催されたアジアOSSシンポジウムの会場
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 どこまで普及してきたのか。またなぜオープンソース・ソフトウエアを使い,普及させようとしているのか。2月12日から15日,開催されたアジアOSSシンポジウムに各国から集まった出席者の報告から,それを確かめたいと思った。

 アジアOSSシンポジウムは,2003年から日本とアジア各国政府によって開催されてきた,オープンソース普及を目的とした会議である。8回目となる今回は,インドネシアのバリで開催された。日本や欧米を含め20カ国から100人以上が参加した。

 オープンソース・ソフトウエア導入の目的はコスト削減とされることが多い。確かに新興国にとってコストの低さは大きな魅力だ。しかし,シンポジウムでの発表や議論を聞いて,記者は,彼らがオープンソースに本当に求めているのは,別のものなのではないかと考え始めていた。

インド:政府がデスクトップLinux BOSSを開発


インドから参加したVenkataram Narayam氏とMadras M.R.Rajagopalan氏
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インド政府が作成したLinux BOSS(Bharat Operating System Solutions)
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 インドでは政府のオープンソース推進機関として,NRCFOS(The National Resource Centre for Free/Open Source Software)が置かれている。研究開発のほか,配布,人材育成,政策立案のための調査などを行っており,情報省の研究機関CDAC(先端コンピューティング開発センター)が実際の運用を行っている。

 The Linux Foundationが策定するLinux標準仕様LSB(Linux Standard Base)への準拠を調査するLSB Certification Labと呼ばれる組織もある。

 NRCFOSが開発しているLinuxディストリビューションがBOSS(Bharat Operating System Solutions)である。Debian GNU/Linuxをベースに,政府・教育向けに整備,ローカライズしたものだ。入力メソッドはSCIMで,タミール語,ヒンズー語,パンジャブ語,マラティ語に対応している。OpenOffice.org 2.0.1をローカライズしたBharatheeyaaOOを搭載している。BharatheeyaaOOは現在タミール語,ヒンズー語に対応している。

 人口11億人の大国だけに,コミュニティも多数ある。NRCFOSのサイトに,数十のLinux User's Groupなどコミュニティへのリンクがある。インドには非常に多くの言語が存在する。そのためローカライゼーション・プロジェクトも多数存在している。

ベトナム:OSSマスタープランを首相が承認,省庁などで利用


ベトナム科学技術省 Nguyen Trung Quynh氏
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ベトナムの民族衣装である笠をかぶったペンギン
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 ベトナムから参加したのはNguyen Trung Quynh氏。科学技術省のIT Office担当だ。

 ベトナムでは2004年,「OSSマスタープラン」を首相が承認,署名している。このプランに65の省庁機関が参加しており,77%の機関がオープンソースを使用しているか,使用する計画を立ている。計画していないが使用しているのが15機関で,使用していない機関はゼロだという。まだ台数は少ないが,最も大きい例では270クライアント,50サーバーで使用しているという。RedhatもしくはFedora Coreを使用しているのが23機関,OpenOfficeが23,Firefoxが22部署である。