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 次に,WebブラウザのSafariである。起動し,弊社の「日経ビジネスオンライン」に接続すると,美しい日本語フォントでWebページが表れた。Webページの描画のクオリティはMac OS X版のSafariと同等に見える。そして,ここでも感動したのがUIだ。2本の指で拡大縮小のジャスチャーをすると,その動きに応じてWebページの表示も拡大縮小する。「ちょっと文字が小さいな」と思ったら,指を少し動かすだけで画面を拡大できるのだ(写真5-1,5-2)。

◀写真5-1(写真左)●Webブラウザを利用 [画像のクリックで拡大表示]
 
▶写真5-2(写真右)●拡大された文字もきれいである [画像のクリックで拡大表示]

 PDFや他言語の表示はどうだろうか。そう思い,Webで公開されている中国語のPDFにアクセスしてみた。すると,Webページの表示とほとんど変わらない快適さでPDFファイルをオープンできた(写真6)。PDFのページ間のスクロールも高速である(写真7)。iPhoneは携帯型PDFビューアとしても実に優秀だ。

◀写真6(写真左)●PDFファイルを表示。中国語もきちんと表示できた [画像のクリックで拡大表示]
 
▶写真7(写真右)●PDFの閲覧は極めて快適 [画像のクリックで拡大表示]

 簡易電波暗室の中は狭く,だんだん暑くなってきたのだが,iPhoneを使っているとそのようなこともあまり気にならない。次はいよいよYouTubeを使う番だ。iPhoneのYouTubeビューアはあらかじめ「Featured」や「Most Viewed」のメニューを用意しているので,人気の動画がすぐにわかる(写真8)。そこで,人気を集めていた「Mika Brzezinski of MSNBC rips Paris report」という動画を選ぶと,iPhoneのiPod機能でビデオを再生した場合と同様,フルスクリーンでの再生が始まった(写真9)。無線LAN経由なので,バッファリングにかかる時間もほとんどない。ただし厳しいことを言えば,YouTubeビューアやiPod機能のビデオ再生は,iPhoneのUIを今ひとつ生かしきれていないような気がした。例えば,タイムバーが小さいので,微妙な時間軸の操作がiPodのホイールに比べて難しいと思った。


写真8●YouTubeのビューア
[画像のクリックで拡大表示]

写真9●フルスクリーン表示に対応
[画像のクリックで拡大表示]

 筆者がiPhoneの無線LAN機能を使い終えて抱いた感想はただ一つ。「はやく日本でも発売して欲しい」というものである。iPhone日本版はW-CDMA対応での発売が噂されているが,はっきり言って,無線LANだけでも十分に魅力的だ。携帯電話機能を取り除き,代わりに「Skype」をプリインストールして高級PDAとして売り出しても,iPhoneはヒットするだろう。