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 『日経パソコン』2007年8月27日号で、パソコンユーザーの満足度を調査する「2007年版 パソコン満足度ランキング」という記事を掲載した。日経パソコンの読者および日経BP社が発行するメールマガジンの読者約35万人に対して、過去3年の間に販売されたパソコンの総合的な評価や性能、機能、使い勝手、デザインなど全69項目のアンケートを実施(有効回答数は2103)し、その結果をまとめたのだ。

 目的は、現行ユーザーがパソコンを使うに当たり、どんな点に満足しているのか、逆に不満に感じるのはどんな点なのかをあぶり出すこと。現状の不満やニーズをつかむことで、今後のパソコンの進化の方向性を探り出せるのではと考えたのだ。

購入の決め手は「性能」と「価格」

 そもそも、ユーザーの多くは何に着目してパソコンを購入しているのか。「価格が安かった」「性能が良かった」「機能が良かった」「デザインが気に入った」「販売店で店員に薦められた」などの18項目から選択してもらったところ、有力な決め手となったのは「性能が良かった」「価格が安かった」の2つ。前者は51.3%、後者は48.8%のユーザーが選択した(複数選択可)。以降、「機能が良かった」(38.3%)、「自分好みの仕様を選べた」(29.4%)、「信頼できるメーカーだから」(26.2%)と続く。

 では、有力な決め手となった「性能や機能」にどれだけのユーザーが満足しているのか。「満足」「まあ満足」と答えた人は合わせて78.9%。約8割の人が現状のパソコンの性能・機能に満足していることになる。

 ただ、細かく見ていくと不満に感じる点も多く残っている。16の項目から「性能や機能についての不満点」を選んでもらったところ、「CPUの処理速度」(25.4%)、「メモリー容量」(23.3%)、「USBなど端子類の数」(18.9%)、「スピーカーなどの音質」(18.4%)などを選ぶユーザーが多かった(複数回答可)。中でも「スピーカーなどの音質」を不満と答えた人は、「満足している」と回答した人の数(14.5%)を上回った。

「信頼」のブランドを確立できるか

 この結果から、多くのユーザーが“良い”パソコンと考えるのは、価格性能比の高い製品だと分かる。一言で言えば「安くて速い」製品だ。現状のパソコン市場をかんがみるに、妥当な結果だと言ってよいだろう。CPUが高速化し、10万円も出せばそこそこ速いデスクトップ機を購入できる。しかも、製品の差別化は難しい。「安くて速い」のが選択の第一の指標になるはずである。

 では、パソコンメーカーは「安くて速い」だけに力を注げばいいのか。筆者は、それは非常に危険だと考える。例えば今回の調査で、パソコンメーカーのブランドイメージについて聞いたところ、「コストパフォーマンスが良い」という項目で上位に選ばれたメーカーが、概して総合満足度で下位に沈んだのだ。つまり、「安くて速い」は必要な要素だが、それだけではない何かが必要なのである。

 「安くて速い」のほかに、ユーザーが重視する要素とは何だろう。今回の調査から、パソコン選びに重要なもう一つの指標が浮かび上がった。それは「信頼」である。

 今回の調査では、「次回購入時に、今使っているのと同じメーカー製品を選択するか」ということも調べた。すなわち、リピーターとなるユーザーがどれだけいるか、ということをたずねたものだ。結果、このリピーター率で上位を占めたパソコンメーカーと、「信頼できるメーカー」という項目で上位になった会社が一致したのだ。

 では、ユーザーが求める信頼性とはどこにあるのか。もちろん、性能、機能、操作性、使い勝手などが進化し、より使いやすく、壊れにくくなれば、信頼性は自ずと高まるはず。しかし、そうした項目の改良は、そう簡単にはいかない。となると、ユーザーが期待するのは、「操作が分からない」「壊れてしまった」ときに、どれだけメーカーがサポートしてくれるのか、ということになる。

 そこで、重要となるのが「サポートの満足度」だ。今回の調査でも、サポートを実際に受けたユーザーに対して、「電話」「修理」「マニュアル」「メール」などのサポートにどれだけ満足したかを聞いてみた。ユーザー全体の回答は、「満足」「まあ満足」合わせて57.1%。サポートに対して満足しているユーザーは、ほかのジャンルの設問に比べ決して多くはなかった。

 ただ、「不満」「やや不満」のユーザーは9.9%で、はっきり不満と感じているユーザーは1割程度と少ない。実は、「どちらともいえない」ユーザーが32.9%もいる。この「どちらともいえない」ユーザーが、「満足」に向かうのか、それとも「不満」に転ぶのか、そこが「信頼できるメーカー」であるかどうかの分かれ目のように思えてならない。

 実際、メーカーのサポートに対する要望は年々強まっている。パソコンの高機能化が進み、操作や使い方でユーザーが分からない点が増えてきたためだ。これに伴い、メーカーがサポートにかけるコストが膨れ上がり、メーカーがユーザーの期待に応えづらくなっているのも事実だ。

 現在、パソコンメーカーは、サポートに対するユーザーニーズとコストのバランスをいかに取るかに腐心している。この舵取りを誤れば、ブランドイメージが失墜し、メーカーの勢力図が一変する可能性があるからだ。

 一方、ユーザーとしては、パソコンを選ぶ際、性能、機能、操作性、使い勝手、価格などとともに、メーカーのサポート体制にも注目する必要がある。ただ、これらを総合的に判断できるための材料は今のところなかなかない。できれば、そのためのツールとして、「日経パソコン パソコン満足度ランキング」を育てていきたいと考えている。

『日経パソコン パソコン満足度調査2007 報告書』
グループ会社の日経BPコンサルティングが調査結果の詳細を有償でご提供いたします。詳しくはこちらまで。