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 「ホーム・ネットワーク」対応機器は,ずいぶんと昔から存在している。シャープが「インターネットでチン!」と電子レンジのテレビ・コマーシャルを放送したのは1999年のこと。NTT東西地域会社やソフトバンクBBのADSLサービスが本格化したのは2001年だったから,それより2年も前ということになる。

 そして,今から5年ほど前の2002年頃にはホーム・ネットワークがちょっとしたブームになった。通信機器メーカーや家電製品メーカーからは「ホーム・サーバー」をはじめとするホーム・ネットワーク関連機器が登場してきた。ホーム・ネットワーク機器の業界団体として「nonPCインターネットコンソーシアム」が家電メーカーを中心に設立されたのもこのころだ(2004年に解散)。

 しかし,この事業が成功しなかったのは周知の通り。メーカーの提案するメリットがユーザーにはまったく受け入れられなかった。ユーザー側としても,ようやく手に入れたWebアクセスや電子メールを使いこなすだけで精一杯。さらなる用途を利用する気にならなかったのだろう。

設定は「押すだけ」になった

 最近,再びホーム・ネットワークを意識した機器が登場している。そのうちいくつかを実際に目にする機会があったが,いずれも,その操作が簡単なことに驚かされた。

 まず,家庭内の配線に利用されることの多い無線LANやPLCだが,その設定は「設定ボタン」を押すだけだ。昨年解禁されたばかりのPLCはともかく,少し前に無線LANを設定した人なら,SSIDやWEPキーなどの入力で煩わしてい思いをした記憶があるはずだ。だが,最近の機器ではそうした作業は一切不要となった。

 設定が簡単になったのは無線LANだけではない。ソニーのロケーションフリー(ロケフリ)は外出先から自宅のHDDレコーダーなどにアクセスしてテレビ放送などを見られる機器だが,家電品らしくケーブルをつなぐだけで利用できる。

 ネットワークに詳しい読者ならご存じかと思うが,家庭内のLANにつながった機器に外部からアクセスすることは容易ではない。ダイナミックDNS(DDNS)のサービスを契約したり,ルーターのパケット転送の設定などの知識が必要だ。ロケフリは,これらの設定をすべて自動で行ってくれる。無線LANと同様,電源とネットワーク・ケーブルを接続して「設定ボタン」を押すだけだ。

 また,この年末商戦から,動画配信サービスのアクトビラに対応したテレビが本格化する。こちらもテレビにアンテナ,電源,そしてLANケーブルを接続するだけ。リモコンには「アクトビラ」ボタンがあるので,これを押し先頭(ポータル)画面を呼び出す。後は画面上のメニューに従って見たい番組を選択する。 

MSが家庭用サーバーを投入

 マイクロソフトはホーム・ネットワーク向けに,その名もズバリ「Windows Home Server」(WHS)を9月から米国で提供している。現時点では英語版しかないが,日本国内でも入手できる。さすがにサーバーでは「押すだけ」ほど簡単ではないが,家庭向けを意識した操作性になっている。

 WHSには専用のクライアント・ソフトがあり,これをイントストールすると,デスクトップ上に「Photos」などの名称のアイコンが作られる。このアイコンを利用して,サーバー上の写真共用フォルダを利用できる仕組みだ。「マイネットワークを開いて…」などの作業は不要になった。

 この共用フォルダは,万一ディスクに障害が発生しても,家族の大切な写真が失われないよう,バックアップをとっておきたい。WHSでは,ディスクを増設すると,共用フォルダが自動的に二重化される機能を備えている。

 また,WHSには外出先などからサーバーの共用フォルダを利用したり,家庭内のパソコンをリモートから操作する機能もある。こうした機能も,特別な設定作業は不要。利用するときも,外出先からWebブラウザでWHSにアクセスし,表示される画面に沿って操作すればよい。

 各機器やWHSのデモなどを見ていただければ,使い方は容易になっていることには同意いただけるのではないかと思う。問題は,機能面だ。

 たしかに,5年前にホーム・ネットワーク製品を見たとき,「誰が使うのだろう?」というのが正直な感想だった。だが,最近の製品は「使ってみてもいいかな」と思える製品が増えている。実は,個人的に購入した製品もある。今度こそホーム・ネットワーク市場が立ち上がるのか,期待を込めてウォッチしていきたい。