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 「なるほど。バッチ・システムで多数のジョブを扱うときは,こういう理由があるから,ジョブをまとめておく方がいいんだな」――編集することを忘れて,執筆者から受け取ったばかりの原稿をつい読みふけってしまった。

 記者が読んでいた原稿は,2008年1月15日に出版された「システム基盤の統合ノウハウ」という書籍のもの。記者はこの書籍の編集作業に携わったため,原稿を読む機会を得た。

 読みふけってしまったのは,編集作業期間だった2007年の秋ごろのことだ。現場ならではのノウハウが細かく書き込まれており,内容に思わず引き込まれた。「現場で試行錯誤した結果,得られたノウハウなんだろうな」と思わずにはいられないことも,しばしばあった。

 本書籍では大きく2種類のノウハウを紹介している。(1)仮想化技術を含む「システムの統合と移行」に関するもの,(2)統合後に高まる障害発生などのリスク対策としての「システムの安定稼働」に関するものだ。(2)ではWebシステムやOLTPシステム,バッチ・システム,システム統合運用などについて触れている。

忙しいスペシャリスト14人に「コツ」をおねだり

 書籍の執筆は,NTTデータ,NTTデータ先端技術,日本総研ソリューションズ,野村総合研究所の4社でシステム基盤の構築に実際に携わっているスペシャリスト14人に担当してもらった。2007年6月のキックオフ・ミーティングを皮切りに,12月いっぱいまで編集作業が続いた。

 キックオフ・ミーティング後,執筆者に各担当パートの原稿作成を依頼した。それを編集部が受け取り,他の執筆者に公開して内容を確認。内容の抜け漏れや重複がないかなどの意見を集めて,それを各執筆者にフィードバック。秋ごろ原稿を練り上げてもらった。

 原稿を練り上げてもらう前には,編集部から執筆陣にコツのおねだりもした。「本文を構成している小単元(ここではその分野で押さえておくべきポイントを指す)それぞれに,少なくとも1個は,自らの経験を踏まえたコツに関する記述を盛り込んでいただけますか」といった具合だ。

 今から思うと,コツのおねだりは無茶だったのかもしれない。執筆陣には多忙な方が多かったからだ。それにもかかわらず要望に応えてもらえた。その結果,書籍の予定ページ数を大幅にあふれるほどの分量になってしまった。編集段階で分量を減らすことになったとき,「もったいなくてどこも削れない」と記者はさじを投げたくなるくらいだった。ページ数からあふれそうになったノウハウは,注釈や別掲記事でできるだけ紹介した。

出し渋るノウハウも押し切って紹介

 執筆者同士の意見交換の段階では「これは内部的なノウハウなので,できれば出したくないのですが…」といった戸惑いの声も上がった。しかし,ノウハウやコツに飢えていた記者は「ぜひ紹介させてください!」と押し切ってしまった。Webシステムの性能改善に関するノウハウである。

 「バッチ・システムで多数のジョブを扱うとき,できるだけジョブをまとめたほうがよい理由は何か」「Webシステムの性能改善に関する内部的なノウハウとは何か」は,ぜひ書店で買い求めて突き止めていただきたい。

 この書籍は,システム基盤の構築に携わるエンジニアだけではなく,業務アプリケーションを開発しているエンジニアや運用担当のエンジニアにもおススメだ。「基盤屋さんはこんな工夫をしてシステムを統合したり,統合後のシステムの信頼性や可用性を確保したりしているのか」ということが分かるからだ。日々の作業にきっと役立つはずだ。