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メモリーは安くなり続ける

 1280MBへのメモリー増設とデフラグメントで,Vista x86を入れたノートは十分快適になった。ただ,Pentium Mでは64ビットのソフトは動かせない。

 筆者が自由に使えるパソコンはほかに,自宅のデスクトップが1台と会社のデスクトップが2台あり,いずれも一応AMD64/Intel 64対応のCPUが載っている。会社のデスクトップ1台(Celeron D 326)はx86のXPのまま使っているが,自宅のデスクトップ(Sempron 2600+)にはVistaのx64とWindows Server 2008のx64を入れ,会社のもう1台のデスクトップ(Pentium D 915)にはVistaのx86とx64とWindows Server 2008のx86を入れてみた。

 デスクトップ3台はどれもメモリー1GBだが,Vistaとちょっとしたアプリケーションを動かすくらいなら,まあなんとかなる。Vistaのx86とx64で,メモリー消費量や動作速度が大きく変わる感じはない。Windows Server 2008は,VistaよりもOS本体のメモリー消費は抑えられているようだが,さほど動かしているわけではない。

 もっとメモリーがないと試せないなー,と残念に思うのは,仮想マシンの利用である。ソフトウエアを開発するにあたって仮想マシン環境のメリットは大きいが,物理メモリー1GBでWindowsを仮想マシンで動かすのは難しい。

 ただ,市場を見れば,メモリーの容量当たりの価格は安くなり続けている。デスクトップ・パソコン用のDDR2-800メモリーは,2GBのメモリー・モジュールが4000円を割る水準で買える。メモリー・スロットが4本あれば8GB積める。最近のマザーボードでは,普及品であっても「4GBモジュール×4で16GBまで搭載可能」と仕様表に書いているものがある。ノート・パソコンでも,メモリー2GBは珍しくなくなったし,デルのカスタマイズ画面を見れば,2GBから4GBへの変更が1万2600円程度からできることがわかる。

 基本的には,x86のWindowsでは,4GBのメモリー領域のすべてを使い切ることはできない。4GBを超える領域は使えない。PAE(Physical Address Extension)やAWE(Address Windowing Extensions)を利用する方法もあるが,それよりはx64のWindowsを使うほうが素直ではないだろうか。

x64 Vistaの逆説的なメリット

 自宅のデスクトップをx64 Vistaにしてしばらくたつが,どうしようもなく困ったことは今のところない。周辺機器の対応が一番心配だったが,ブラザーのプリンター「HL-1870N」はLAN経由で問題なく使えているし,ローランド(EDIROL)の音源ユニット「SD-90」もUSB接続で動いている。

 アプリケーション・ソフトは,付属のInternet Explorer(x86,x64)やペイントなどが動くのは当然だが,Firefox(x86,x64用の「MineField」英語版3.0b5pre),秀丸エディタ,Microsoft Office 2007,Visual Studio 2008,CodeGear RAD Studio 2007,LHMelting,WinZip,ViX,Binary Editor BZ,各種自作ソフトなどを使っている。まったく動かないのは16ビットのコードだが,これは以前から公表されていたx64 Windowsの仕様なので,あきらめもつく。PhotoShop 5.0 LE(古いバージョンだが気に入っている)は,16ビット・コードを含むためかインストーラが動かなかったが,本体はなんとか動いた。

 ちょっと逆説的だが,x64 Vistaを使う最大のメリットは,x64 Vistaで何が動かないかがわかることかもしれない。x64 Vistaを使い始めると,x64 Vistaで動かない周辺機器やソフトは買いたくないし,作りたくなくなる。何が将来も使えて,何が将来使えなくなるのかを見極めようという気持ちになってくる。それは自分のノウハウの選別にもつながる。x64 Vistaを使うメリットはそこにあるし,Vistaを使う最大のメリットは,x64 Vistaを使えることだ。

Vistaの好きな点をもう少し

 では,x86 Vistaを使うことにメリットはないのだろうか。とても小さな改良だが,この部分だけでもVistaを使う価値はあるな,と思っていることがいくつかある。

 一つは写真2の「コンピュータ」画面だ。「並べて表示」を選ぶと,ハード・ディスクの空き領域がグラフで表示される。Windows XPでも空き領域の表示は可能だが,グラフィカルではない。とても小さな違いだが,ハード・ディスクの空き領域不足は性能の低下をもたらすので,自分がどのディスクをどの程度使っているかをなんとなく意識できるこの機能はありがたい。

写真2●Vistaの「コンピュータ」を開いたところ。「表示」→「並べて表示」を選んでおくと,ハード・ディスクの空き領域がグラフで表示される
写真2●Vistaの「コンピュータ」を開いたところ。「表示」→「並べて表示」を選んでおくと,ハード・ディスクの空き領域がグラフで表示される [画像のクリックで拡大表示]

 もう一つの喜びは,無線LANの設定機能がWindows側に入ったことだ。Windows XPでは,ほとんどの無線LAN製品は,その製品に付属するソフトで管理作業を行わざるを得なかった。製品ごとの違いが大きく,勘違いすることがしばしばあった。Vistaの無線LAN関連画面の使い勝手が良いとはいえないが,それでも,多種多様だったころに比べれば,何がしかの進歩である。

 同僚が1920×1200画素の15.4型液晶を搭載したノート・パソコンを見せてくれたときには,そのアイコンの小ささに驚いた。Vistaでは,最大256×256画素のアイコンを利用できる(Windows XPでは最大48×48画素)。そんな大きなアイコンなんて…,と思っていたが,意外と使われるかもしれない。Windowsは,ハードウエアに合わせて変わっているのだ。