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 NTT東日本/西日本が提供するIP電話サービス「ひかり電話」。0AB~J番号が割り当てられ,ほとんどの場合,それまで使っていた加入電話と同じ番号が利用できる。NTTのNGN(次世代ネットワーク)サービス「フレッツ 光ネクスト」でも提供され,従来の加入電話に代わる固定電話として認識されているといっても過言ではない。しかし,「ナビダイヤル」や「ダイヤルQ2」など,加入電話では提供しているサービスの多くがいまだに利用できない。ひかり電話は次世代の加入電話ではないのか。

株主が苦言,「ナビダイヤルはいつ始まる?」

 NTT東西が2004年9月に開始したひかり電話サービスは,Bフレッツの伸びとともに順調に契約数を増やしてきた(図1)。2008年3月末時点で,572万契約を超える。加入電話とINSネットを合わせると4603万加入であるから,ひかり電話はNTT東西の0AB~J番号電話全体の1割強でしかない。しかし,このままのペースで推移すれば,数年先にはひかり電話のほうが多くなる。

図1●加入電話+INSネットとひかり電話の契約数の推移
図1●「加入電話+INSネット」と「ひかり電話」の契約数の推移

 ひかり電話(Bフレッツ)は,過去に何度も大規模なトラブルが発生して利用できなくなることがあったが,いまでは安定している。110番などの緊急電話につながり,0AB~J番号が使える。うっかりしていると,従来の加入電話と同じように思えてくる。

 しかし,いくつかのサービスで「IP電話ではご利用できません」という“断り”を目にするたびに,それが錯覚だったと気づかされる。ひかり電話は,料金は安いものの,利用できるサービスや機能が低い電話なのだと。

 加入電話では利用できるが,ひかり電話では利用できない番号(サービス)は,いまだに数多く存在する(NTT東日本の説明ページNTT西日本の説明ページ)。一つの番号で地域を問わずに着信できるナビダイヤル(0570),発信者から情報料を徴収できるダイヤルQ2,伝言ダイヤルなどである。00XYといった通信事業者を指定した通話も利用できない。

 2008年6月25日に開催されたNTTの定時株主総会でも,株主からこれに関連した質問が出された。「ひかり電話からナビダイヤルはいつ利用できるようになるのか」である(関連記事)。ナビダイヤルは,チケット予約やカスタマ・サポートなどを受け付ける全国統一番号として使われることが多い。ナビダイヤルの番号でしか電話できないサービスもある。そういったサービスの利用者にとっては,ナビダイヤルが使えないのは大問題である。

 NTTグループは,ひかり電話の付加サービス(機能)の提供予定を,基本的に公表していない。提供するとも提供しないとも言わない。取材を申し込んでも「(すでに公表している以外に)話せることはない」という状況である。

 ナビダイヤルの場合,例外的に2006年度内に提供すると発表していた。だからこそ、株主総会で追求された。それでも,ナビダイヤルの開始時期について二人が質問したが明確な答えが返ってこなかった。三人目の同じ質問でようやく「年内開通を目指して準備を進めている」という回答が出てきた。ひかり電話の付加サービスは,NTTにとって避けて通りたい問題なのだ。

 NTT東日本のサイト上の「ナビダイヤル(0570)への接続について」というお詫びのページは7月8日の時点で,「接続開始時期が明確になり次第,改めてご案内」としたままである。株主総会の出席者やその報道を見た人以外は,年内開始予定ということは知らない。

 ひかり電話のサービス開始から4年近く経過するが,これまで追加された付加サービスは少ない。「時報」と「特定番号通知機能」くらいである。