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 2008年11月,ウチダスペクトラムという会社の新製品発表会に行った。「SMART/InSight G2」という,エンタープライズ・サーチ・ソフトにナレッジ・ベース構築機能を加えたようなソフトである。2005年に初版を投入してから,2回めのメジャー・バージョンアップ版ということであった。

 実は私は10年以上前からこの会社を知っているのだが,同社の中核ビジネスは95年の設立以来ずっと,大規模ユーザー向けのソフトウエア・ライセンス販売とその周辺サービスだと理解している。同社がパッケージ・ベンダーだと思ったことは1度もなかった。

 いつの間にこの会社はパッケージ・ベンダーになったのだろう。不思議でたまらなくなり,取材に行ったところ,興味深い開発譚が聞けた。

開発部隊ゼロからの出発

 SMART/InSightは最初からパッケージ・ソフトとして開発されたわけではない。2000年頃,大手企業ユーザーと多く接する中で「企業はビジネス情報をもっと有効活用できるはず」と考えた町田潔社長が,プレス・リリースや海外のビジネス・ニュースなどのデジタル・コンテンツを有償で配信しようと考えた。このために開発したシステムが,SMART/InSightの前身である。

 このシステムを開発するにあたり,町田社長はまず国内のIT企業をあたった。「パッケージ・ソフトのライセンス販売をもっぱら手がけていた当社に開発部隊など,もちろんなかった。システムを開発するには,こちらの目的を聞いて,システム要件の定義,実装技術の選定,システム開発などすべてを引き受けてくれるパートナーが必要だった」(同)。

 実現のキー・テクノロジーはXMLだと読んだ町田社長は,XMLに強いというソフト会社数社に声をかけコンペを実施。ある開発会社に試作品の開発を依頼することになった。この試作品は,展示会でデモをするところまでいったが,いざ本番システムをという時になって,開発会社が6億~10億円という見積もり額を提示してきた挙げ句,音信不通になったことで,ご破算になった。

 「日本では話にならない」。町田社長は海外に活路を求め,インドの大手企業数社をあたった。その時,たまたま町田社長が慶應ビジネススクールに通っていた時の知り合いが転職したという縁で,インドのMphasiSにもコンタクトしたという(ちなみにMphasiS社は2006年にEDSに買収され,そのEDSは2008年にHPに買収されている)。