PR

期待ほどには安くなかったWiMAXの料金

 三つ目の料金に関しては,筆者としては期待したほどには安くなかったという印象だ。UQ WiMAXの基本プラン「UQ Flat」の月額料金は完全定額の4480円。2年間の継続利用(3年目以降は1年間の継続利用)という制約があるものの,イー・モバイルが「データプラン(新にねん)」という月額4980円のサービスを既に提供しているだけに,500円差だと「たいして変わらないな」という感じがする。当初はサービス・エリアが限定されるだけに,4480円という金額では,どうしても割高に思えてしまうのだ。また,イー・モバイルの「スーパーライトデータ」のようなライト・ユーザー向けプランもない。

 もっとも,UQ Flatは契約期間の縛りがない料金プランである。将来,サービス・エリアが拡大し,「家庭でも外出先でもどこでも使える実効速度10Mビット/秒のサービスが契約期間の縛りなしで月4480円」と考えれば,リーズナブルな金額と言えるだろう。いずれ,契約期間をあらかじめ設定することで,さらに安い料金プランが登場することも十分考えられる。

 なお,UQコミュニケーションズを使ったMVNO(仮想移動体通信事業者)も(関連記事),料金はUQ WiMAXと大差ないと考えられる。というのも,UQコミュニケーションズのMVNO向け卸料金は,MVNOが通信設備を保有しない場合で回線当たり月額3300円(税別)。これにMVNOの取り分が加わるので,最終的なユーザー料金が4000円を下回るのは難しいと考えられるからだ(関連記事)。

エリアに入れば自動的にサービスにつながる

 最後の使い勝手は,実はWiMAXが携帯データ通信サービスと最も違う点ではないかと筆者は考えている。UQコミュニケーションズが提供するWiMAXサービスでは,携帯電話のようなダイヤリング操作が不要で,どちらかといえば公衆無線LANサービスの利用形態に近い。いや,使い勝手は公衆無線LANサービスより上だろう。公衆無線LANサービスのようにいちいちWebページでユーザー認証をする必要すらないのだ。サービス・エリア内に入れば自動的にインターネットにつながるといった使い勝手が実現する。

 現行の携帯電話は,SIM(Subscriber Identity Module)カードによる端末認証を採用している。一方,UQ WiMAXにはSIMカードはない。ユーザーは,最初にWiMAX経由でUQコミュニケーションズやMVNOのサイトにアクセスして,オンラインでユーザー登録する。そうすると端末に加入者情報が書き込まれ,それ以降はID/パスワードを入力しなくてもインターネットに接続できるようになる(関連記事)。非常にシンプルだ。

 WiMAX端末についても,当初はPCカードやUSBタイプのWiMAXアダプタを購入するしかないが,近い将来,WiMAX通信機能はノート・パソコンに搭載されてくる。そうなれば,「パソコンを買い,クレジットカード情報を入力してオンライン登録をすれば,すぐに使えるようになる」といったことも実現できるだろう。

*    *    *    *    *    *

 駆け足でUQコミュニケーションズが始めるモバイルWiMAXサービス「UQ WiMAX」の特徴を見てきたが,では最終的にこのサービスは“買い”なのか。筆者は,十分“買う”ことを検討する価値のあるサービスと考える。

 携帯電話にLTE方式のサービスが登場すれば「モバイル速度キング」の座は明け渡すものの,実効で数M~10Mビット/秒程度の通信速度は魅力的だ。家庭向けのブロードバンドでも,光ファイバ・サービスの登場で実効速度が数十Mビット/秒に高まったものの,だからといって,実効速度がだいたい数Mビット/秒のADSLが駆逐されたわけではない。ADSL程度で十分と考えるユーザーも実際に多い。

 そして,公衆無線LANよりも快適な使い勝手は悪くないものだ。また,現在のところ割高感が残る料金も,いずれは安い料金プランが登場する可能性も高い。

 最大のネックは,どう考えてもサービス・エリアだ。WiMAX対応ワイヤレス・ルーターがない現状では屋内利用にも不安が残る。しかしいずれエリアは広がり,WiMAX対応ワイヤレス・ルーターも発売されるだろう。UQコミュニケーションズやMVNO,通信機器メーカーの動向をじっくりウォッチしておいて,自分にとって「価値あり」と判断できた時点で導入すればよい。

 なお,UQコミュニケーションズは2月15日を締め切りとして,最大5000人のモニター・ユーザーを募集している。そのままにしておくと7月1日から基本料金が発生するが,6月末までにWiMAXアダプタを返却すれば,料金はかからない。応募総数が5000人を超えると抽選になるというが,WiMAXが気になる人は,これに応募して実際に使ってみるというのも手だろう。