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 世界中の情報を整理し,世界中の人々がアクセスできて使えるようにする――。米グーグルはこの社是に則り,インターネットにあふれる情報を整理し,検索エンジンを介してユーザーに提供してきた。最近のグーグルを見ていると,ネット上に書き込まれた情報だけでなく,現実(リアル)世界でやり取りされているヒトやモノの動きである「ライフログ」をも,“整理してアクセスできるようにしよう”と動き始めていることに気付く。

 先ごろ同社が発表した「Google Voice」では,電話の「発着信」や「声」というリアルのデータをグーグルのプラットフォームで収集しようとしている(関連記事)。Google Voiceでは,グーグルがユーザー1人に付き一つの番号を割り当てる。その番号に電話をかけると,登録してある電話機全部で着信する。例えば,携帯電話と固定電話を登録しておけば,この両方が鳴る。

 このシステムがうまく回れば,グーグルにはユーザーがどの時間にどの電話機で何分間話したかという情報が集まることになる。固定電話で話していれば在宅しているということが分かるわけだ。ボイスメールの機能では,相手先が吹き込んだ音声は自動的にテキストに変換された文字とともにストレージに格納される。つまりボイスメールも整理対象になるのだ。

 2009年中に日本でも発売されると噂される携帯電話のプラットフォーム「Android」を搭載した携帯電話が広く普及すれば,リアルの世界の動きがさらにグーグルに集まるようになる可能性が高い。2月に同社がAndroidやWindows Mobileなど向けに発表した「Google Latitude」というサービスでは,携帯電話を持つ友人・知人同士で相手の位置情報を交換できる(関連記事)。これは携帯電話にインストールしたソフトウエアが,位置情報を定期的にグーグルに送ることで実現している。つまり,人の動きがグーグルに集まっているのだ。

 ユーザーが手に取ったモノの情報もAndroidで収集できる。Androidには当初からバーコード・リーダーの機能が搭載されている。このため,アプリケーション開発者はユーザーがバーコードを読み取ることを前提としたアプリケーションを簡単に作れる。例えば,バーコードを使って検索した商品情報と家計簿を連携させる,あるいは店舗にある商品のバーコードを読み取って近隣の店舗での価格と比べるといったサービスが考えられる。バーコード情報がこうして収集されていけば,リアル世界のモノの動きがグーグルから検索可能になる。

 グーグルはどうやらリアル世界の購買履歴にも関心があるようだ。2008年12月からクレジットカード大手の米ビザ・インターナショナルに共同でクレジットカード・サービス向けのアプリケーションをAndroidに配布している(関連記事)。現時点ではVISAが提携するATMの場所を調べたり,購入したものの通知を受け取れる程度だが,将来的には購買履歴に応じて広告を配信するといったサービスが登場してくる可能性がある。