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 政府は2009年4月27日、急速な景気悪化に対応するための2009年度補正予算案と税制改正関連法案を決定し、衆議院に提出した。補正案の総額は13兆9300億円で過去最大規模。財務省の資料では詳細は分からないが、各省庁のサイトに関連資料が公表されている。

 例えば、総務省の所管分は3995億円で細目も公表している(詳しくはこちら)。ここで興味深いのは、297億3000万円を計上している「電子政府・電子自治体の加速」という項目だ。まず、この内訳を見てほしい。

・電子行政クラウドの推進(霞が関・自治体クラウド(仮称)及び国民電子私書箱構想の推進) 207.4億円
・新しい公的個人認証システムの開発実証 77.9億円
・オンライン申請サポート事業 12.0億円

 いまIT業界で大きな注目を浴びているクラウド・コンピューティングの領域に約200億円を投じるのである。それでは、「霞が関クラウド」「自治体クラウド」とはそれぞれ何者なのか。

 まず霞が関クラウドは、総務省が2009年4月20日に公表した「ICTビジョン懇談会 中間取りまとめ」にも盛り込まれている(発表資料はこちら)。2015年ころまでを見据えた総合的なICT政策を検討するために発足したのがICTビジョン懇談会である。

 「中間取りまとめ」によると、霞が関クラウドの目的は、「クラウドコンピューティング技術を活用して、関係府省の業務システムのハードウェアの統合・集約化や共通機能のプラットフォーム化を図る」ことである。さらに、霞が関クラウドを実現することによって、「バックオフィス連携を図るほか、法人コードの共通化を推進し、重複する添付書類の削減など民間部門の費用削減を目指すべきである。同時に、環境問題に配慮したグリーンデータセンタを複数箇所に設置し、耐災害性を高めることも必要である」としている。

 これを見る限り、霞が関クラウドとは、仮想化技術を利用して、中央省庁のバックオフィス・システムをデータセンターに集約する取り組みのようだ。縦割り意識の強い省庁で「バックオフィス連携」が、どこまで実現できるかは不透明ではあるが、データセンターに情報システムを集約するという、外から見て分かりやすい形だけは実現できそうだし、コスト削減効果も大きいだろう。