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 「システム管理者感謝の日」という日があるのをご存知だろうか。英語では「System Administrator Appreciation Day(以下,SysAdmin Day)」。毎年7月の最後の金曜日が感謝の日としている。今年は,明日7月31日(金)がそうだ。

 システム管理者は1年のうち,364日は感謝されることがない。この日だけはシステム管理者の労をねぎらおう---。こんな思いから,米国在住のシステム管理者Ted Kekatos氏が2000年に「SysAdmin Day」を提案し,今年で10年目を迎える。英国,スペイン,オランダ,ドイツなど欧州を中心に賛同者が普及活動を展開。日本でもシステム運用管理ソフトを開発・販売するビーエスピーが2007年から関連イベントを開催している。

 「設計者の日」や「開発者の日」ではなく,なぜ「システム管理者の日」なのか。その背景にはシステム管理者の報われない不満が隠されている。システムの設計・開発者なら,システムが稼働したときに「このシステムはいいね」とか「仕事が楽になったよ」といったユーザーの声に触れる機会があるだろう。いつもそういう言葉に恵まれるとは限らないが,耳にすればうれしいものである。

 だがシステム管理者は,例えば日曜日の夜中の2時にメール・サーバーがダウンして呼び出されても,手際よく復旧してしまえばユーザーにはシステム管理者の苦労は伝わらない。「システムを常に正常に稼働させて当たり前」と思われているので,トラブルが長引けばユーザーの苦情に対応しなければならないこともある。すべてのシステム管理者がそういう境遇だとは思わないが,多数派であることには違いない。

システム管理者の仕事が「報われる」ために

 やはり,「システム管理」という仕事の重要性が経営者やユーザーに十分理解されていないことが問題なのだろう。

 これまでの取材の中で,システム管理者たちは「人手不足」を訴えることが多い。特に,専任のシステム管理者を配置できない中小企業ではその傾向が強いようだ。「人を増やしてほしい」と経営者に訴えても,何か大きなトラブルが起こったときの被害を想像できず,「経営状況が厳しいから無理」の一言で片付けられてしまうのが実情のようだ。結局,まじめなシステム管理者が,自分の残業時間を際限なく増やして対応してしまいがちになる。

 システム管理の仕事の重要さがユーザーに理解されていないケースも多い。よくあるのはセキュリティ対策だろう。どんなに口をすっぱくしてセキュリティ・ポリシーの順守を呼びかけても,「ポリシーの通りにしたら,仕事がはかどらない」というユーザーは少なからずいる。定時ウイルス・スキャンをオフにしてしまうとか,ウイルス対策をしていないPCを社内LANにつなぐといったケースだ。注意を促しても,反省するどころか“逆ギレ”されることがあるという。システム管理者が「報われない仕事」と感じる瞬間である。

 こんな状況では,「今日はシステム管理者感謝の日なので,みなさん感謝してあげましょう」と呼びかけても,経営者やユーザーから良い反応が得られるとは,にわかに考えにくい。しかし,何もしなければ状況は変わらない。

 とりあえずは明日,みなさんの職場で「システム管理者感謝の日」を話題にしてみるところから始めてみてはどうだろうか。「自分も報われていない」と感じる設計・開発者がいれば,話の輪に加わって一緒に盛り上げてもらいたい。同志は多いほうがいい。