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 パソコンの普及から十数年,ようやく企業が業務に最適な端末を真剣に考え始めた。ソフトの配布・更新,セキュリティ対策,移設や置き換えなど,企業でパソコンを使う場合には,本業に直結しない煩雑な作業に多くの人員とコストをかけざるを得ないのが現状。ところが,従来であれば,不満はあってもパソコンを使い続けるのが唯一の選択肢だった。

 ここに来て,脱パソコンの動きは「シンクライアント」導入の形となって現実化しつつある。シンクライアント自体は以前からあったが,周囲を取り巻く環境が大きく変化した。多発する情報漏えいでニーズが急拡大したほか,ネットワークが広帯域化して実用に耐えられるようになった。(日経コンピュータ

 パソコンが社内のITインフラとして普及して10数年,多くの企業のシステム担当者は,社内のクライアント・パソコンの管理に頭を悩ませている。パソコンの業務アプリケーションの配布にかかる手間とコストの問題や,クライアント・パソコンからの情報漏えいといった問題である(図1)。

図1●企業のクライアント・パソコンが抱える問題点
図1●企業のクライアント・パソコンが抱える問題点 [画像のクリックで拡大表示]

 日経コンピュータ主催のシステム部長会で実施したアンケートでも,パソコンの限界を指摘する声が集まった。企業クライアントとしてのパソコンに対して,「問題ない。今後も利用を続ける」とした企業は全体の9.5%にすぎなかった。8割以上の企業が「負担が限界に来ている」もしくは「不満はあるが,代替手段がないので使い続ける」と回答している(図2)。

図2●多くのシステム部長が現在のパソコンに問題ありと見ている
図2●多くのシステム部長が現在のパソコンに問題ありと見ている
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 こうしたパソコンが抱える問題を解消するシステムとして注目が集まっているのが,シンクライアントである。ここでいう「シンクライアント」は,単にハードディスクを内蔵しない端末だけでなく,アプリケーションをセンター側で実行するなどして集中管理し,ローカルの端末にデータを保存しない仕組みを含む。

 ある企業がシンクライアントの導入にかけたコストは,端末1台当たりに換算すると推定で20万円前後と,通常のパソコンの2倍近くになる。単純なハードの導入コストだけで判断すれば高く見えるが,パソコンの運用にかかっていたコストがなくなるのだから,むしろクライアントにかかるTCO(所有総コスト)は下がる。