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 日米を代表する主要IT企業15社に関して,関連会社を含む各社の「現場力」と「経営力」のイメージ*1を,「ITpro Researchモニター*2に尋ねたところ,「現場力」と「経営力」の両方で米国企業が上位にランクされた。日本企業は下位にとどまった(図1)。

図1●日米主要ITベンダー15社に対する「現場力」と「経営力」イメージの加重平均得点と相関(2007年3月調査)

 米Google社は現場力でも経営力でも高評価を受けており,特に現場力に関して過半数が「非常に高い」と評価している点で,抜き出ている。上位12社の中で,現場力が経営力を上回っているのはGoogle社だけである。Google社以外の米国企業7社は,経営力が相対的に高い。その中でも強いて言えば,米Microsoft社は経営力がやや高い(図2)。

図2●日米主要ITベンダー15社に対する「現場力」と「経営力」イメージの回答者構成比(2007年3月調査)
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 米系日本法人(いわゆる外資系企業)では,日本IBMとマイクロソフトの2社に関して調査したが,両社ともに米国企業よりやや低いものの,経営力が相対的に強い点で,米国企業と共通している。ただし,両社の親会社と比べた場合,Microsoft社が米IBM社より経営力が高いと評価されたのに対して,日本法人ではこれが逆転して,日本IBMの経営力がマイクロソフトより高く評価されている点で異なる。

ソフトバンクは現場力が,国内有力3社は経営力も低い

 米国企業の高評価に対して,日本企業の中ではNEC,富士通,日立製作所が現場力と経営力の両方で,15社の最低水準の評価にとどまった。経営力は最下位から数えて3位以内,現場力も「非常に高い」という回答比率の低さは,最下位から数えて3位以内にある(図2)。現場力に対する評価が経営力を少し上回っている点では,「日本の製造業は現場の地道な改善の積み重ねがあるので強い」といった一般的な見方を裏付ける材料と言える。しかし,日本企業の現場力が,米国企業よりも低く評価されている点では,「IT企業の場合,あくまで経営力と比較して」とのただし書きが付く調査結果と言えよう。

 これらの日本企業3社と異なり,ソフトバンクとNTTは,経営力が現場力よりも強い。特に,ソフトバンクはこの傾向が顕著である。ソフトバンクは,外資系を含む日本企業7社の中で経営力が最も高い評価を受けながら,現場力は15社の最低だった。同社は15社の中で,現場力が「高くない」という回答比率が最も多く,現場力の加重平均得点が最も低くなった。


(村中 敏彦=日経BPコンサルティングチーフ・アナリスト,BtoBコンサルティング・リサーチ 担当)