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日経マーケット・アクセスがITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,2007年8月に実施した調査で,7月の企業・組織の「IT予算執行率INDEX(平均の予算執行率)」をシステムの分野別に見ると,業務アプリケーション分野で「物流」と「SCM」の2分野が予算執行率INDEXでプラス,すなわち平均すると月間のIT支出が予算を超過した。
この「システム分野別IT予算執行率」では,2007年4月実績から前回6月実績まで3カ月連続で,すべての分野が予算執行率INDEXマイナス(平均の予算消化率が100%未満)だった。予算執行率INDEXのプラスは2007年3月実績での「ハードウエア購入」(+1.2%)と「CRM・顧客関連システム」(+0.5%)以来である。
一方,システム・インフラ系は過去3回と同様,全分野で予算執行率INDEXがマイナス。「アプリケーション(システム)間連携基盤系」の -1.9%から「運用・危機対策系」の -3.9%まで,2ポイント幅の中に7分野が密集した。「新規開発」と「運用・保守開発」の予算執行率は前回6月実績より約1ポイント上昇,「再構築」は4ポイント近く上昇した。「ハード購入」「ソフト購入」の予算執行率INDEXは今回, -2.0%と -2.2%でほとんど並んでいる。
■調査概要
日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,前月(2007年7月)のシステム投資の執行額が,予算に比べて超過または未達(未消化)になったかを聞いた。
図中の「情報系システム」はグループウエアや情報共有システム,「ネットワーク系システム」はWAN,LAN,電話,「インターネット系システム」は情報発信,電子商取引,マーケティング関連のシステムを指すものとして回答を求めた。「運用・危機対策系システム」は/ビジネス・コンティニュイティ分野,「運用・保守開発」は信頼性向上やコストダウンを目的とするソフトの維持改良を含む。「ソフトウエア購入」はアプリケーション・ソフトやミドルウエアの購入を指すものとして回答を求めた。
本文中の「予算執行率INDEX(平均の予算執行率)」は,選択式回答の「50%超の未達」を-65%,「20%~50%の未達」を-35%,「10%~20%の未達」を-15%,「10%未満の未達~10%未満の超過(ほぼ予算通り執行)」を0%,「10%~20%の超過」を+15%,「20%~50%の超過」を+35%,「50%超の超過」を+65%に換算して加重平均した。
なお,予算はゼロで当月執行が発生した場合は,「50%超の超過」,「予算ゼロ,かつ執行ゼロ」の場合は「ほぼ予算通り執行」を選択するよう求めている。新規購入や開発中の案件がなく,当月のIT関連支出が継続運用費やリース料の支払い,減価償却費のみの場合も,「ほぼ予算通り執行」を選択するよう求めた。
調査実施時期は2007年8月下旬,調査全体の有効回答は2138件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は978件。
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図●2007年7月のシステム分野別平均IT予算執行率 |