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 中堅・中小企業でサーバーを増設する場合,その設置環境は「サーバールームへの集約化」と「事務所内に増設,追加」のいずれかになる。特に,専用のサーバールームを持たない中小企業は,事務所内にサーバーを置かざるを得ない。このためサーバーにも,設置環境に悪影響を与えないよう発熱・騒音を抑えた「グリーンIT」対応が,強く求められることになる。

年商10億円未満企業の7割が事務所内に設置

 今回はサーバーの設置場所や消費電力や騒音の影響などを取り上げる。調査結果を見ると,3つのポイントが浮かび上がる。

  1. 年商10億円未満の中小企業では,7割以上が「サーバーを事務所内に設置」
  2. サーバーの「動作音が気になる」が約4割,「消費電力が気になる」が6割以上に達する
  3. サーバー設置場所に「6割強が問題を抱えている」

図1●サーバーの設置場所(Nは有効回答数)
図1●サーバーの設置場所(Nは有効回答数)
 サーバーの設置場所は,「サーバールーム」が54.3%で最も多い(図1)。「事務所の一部にまとめて設置」(32.3%)や「事務所の個々の場所に設置」(11.7%)を合わせると4割程度になる。年商規模別に見ると,年商100億円以上の企業では約8割がサーバールームにサーバーを設置しているが,年商10億円以下では7割がサーバールーム以外の事務所内にサーバーを設置している。

 サーバーを事務所内に設置する理由は,「サーバールームが無い」が68.6%と最も多い。「サーバーを管理者の近くに置きたい」が年商規模にかかわらず約4割となっている。

「事務所内のサーバーの音に気付いている」は約4割

 サーバーを事務所内に設置している場合に,サーバーの音が気になるかどうかも聞いた(図2)。結果は,「サーバーのファンの音は気付いているが,近くにいても気にならない」が31.9%,「サーバーのファンは気になる」が30.9%,「音については気にしたことが無い」が19.7%となった。サーバーの動作音に無関心なユーザーも少なからずいるが,「ファンは気になる」と「ファンの音は気付いているが,近くにないので気にならない」を合わせると,約4割のユーザーが「サーバー(ファン)の音」に気付いている。

図2●事務所内に設置されたサーバーの音が気になるか(Nは有効回答数)
図2●事務所内に設置されたサーバーの音が気になるか(Nは有効回答数)

 同じくサーバーを事務所内に設置している場合,6割以上の企業がサーバーの消費電力を抑えたいと答えている。内訳は「電力費用は極力抑えたいと考えている」が38.3%,「消費電力は気にしているが,性能等他要素を優先して選択している」が24.5%,「検討項目に入っている」が5.5%だ。年商規模別で見ると,消費電力についての意識は年商が上がるほど高くなる傾向がある。

 中堅・中小企業におけるサーバー機器の選定においては,性能や初期コストだけでなく,ランニングコストの削減や環境保護への意識など,様々な要素が注目されているようだ。

6割強が「設置場所に課題を抱えている」

 サーバーの設置スペースについても,問題を抱えるユーザーは多い。複数選択で質問したところ,「サーバーの設置場所に困ってきている」(25.5%),「サーバーが増えつつあるので整理,統合したい」(25.1%),「サーバー管理の効率化の上でも整理統合化の必要性は感じている」(15.9%)となった(図3)。

図3●サーバー設置場所で抱える問題点(Nは有効回答数)
図3●サーバー設置場所で抱える問題点(Nは有効回答数)

 中堅・中小企業でも,情報システム部門主導でIT資源を一元管理する傾向にある。その一方で,「設置場所に困っている」「サーバーが増えつつあるので統合したい,必要性を感じている」といった問題を抱えるユーザーは,対応済みを含めて7割を超えている。ちなみに「特に整理,統合などの必要性は感じない」は36.8%。年商規模別で見ると,年商が上がるほど「サーバーが増えつつあるので整理,統合したい」と考える企業が増えている。

 次回はサーバーの管理実態(統合化など)について分析する。

 なお,調査プロフィールと今後の連載予定はこちらを参照していただきたい。

■伊嶋 謙二 (いしま けんじ)

【略歴】
ノークリサーチ代表。大手市場調査会社を経て,98年にノークリサーチを設立。IT市場に特化した調査,コンサルティングを展開。特に中堅・中小企業市場の分析を得意としている。07年には中堅・中小企業のIT部門向けQ&Aサイト「シス蔵」をテクネット社と立ち上げた。