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調査内容 業務システムの導入・更新・再構築計画(時期)
調査時期 2008年2月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 3317件(1279件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に実施した調査で,回答者がシステム担当業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)の任にある分野について,今後のシステム導入・更新・再構築の計画を聞いた。提示した「財務会計」「生産計画」「業務継続支援」「業務統制」などの各分野に対して,ほぼ45~55%の回答者が導入・更新(以下システム刷新)時期を明示した(「■調査概要」を参照)。その中で,平均の刷新予定時期が最も近いシステムは「対外情報提供(Webサイトなど)」の8.0カ月後。そのほか「販売・営業(情報提供系)」(10.0カ月後),「対外接続・データ交換・入力フロントエンド」(11.4カ月後),「業務統制・文書管理」(11.7カ月後)のシステムが,今後12カ月以内に刷新が予定されていることが明らかになった。

 本日の記事ではシステム刷新の時期についての計画を紹介。来週月曜日(3月17日)公開の記事では刷新時に処理性能やディスク容量が現行システムの何倍程度になる見込みか,3月18日の記事では刷新後のサーバーの利用環境(台数,消費電力,設置面積),3月19日の記事では刷新後のサーバーのコスト(初期費用,保守費用,運用要員数)についての回答結果を報告する。

「Webサイト」は6割が6カ月以内,「営業情報」は8割,「シンクライアント」は75%強が12カ月以内に刷新

 平均の刷新予定時期で見ると,15カ月以内の刷新が予定されているのは前述の4分野のほか「経営戦略支援」(12.3カ月後),「業務継続支援(バックアップ系など)」(12.4カ月後),「内部システム間接続・統合」(12.6カ月後),「クライアント上の処理の集約(シンクライアント)」(13.2カ月後),「販売・営業(管理・計数系)」(14.0カ月後),「メール、グループウエア」(14.3カ月後)の6分野。逆に刷新予定時期が遅いのは「財務会計」(19.3カ月後)と「連結・管理会計」(22.9カ月後)だった。

 タイムリーな情報提供や新事業の可能性にかかわるWebサイト・システムの刷新が,約57%という最も高い比率で刷新時期が明確化されていて(「■調査概要」を参照),予定時期も最も近いのはうなずける。興味深いのは営業情報系や対外接続系の刷新が,時期を明確化している回答者の比率は低めではあるが,平均の刷新予定時期は近いこと。2008年4月以降に始まる事業年度から適用開始のいわゆる日本版SOX法(J-SOX,金融商品取引法の内部統制報告制度など)対策の意味が強い業務統制系と,ほぼ同様のスピード感でシステム刷新が進められようとしている。

 刷新予定時期についての回答の内訳で見ると,「対外情報提供(Webサイトなど)」は刷新時期が明確になっている回答者のうち62%が6カ月以内に刷新予定としている。次に12カ月以内(「6カ月以内」と「6カ月後~12カ月後」の合計)の刷新予定の比率で見ると,「販売・営業(情報提供系)」の78.3%,「シンクライアント」の75.8%,「業務継続支援」の74.4%,「経営戦略支援」の74.0%,「対外接続」の73.6%,「業務統制」の72.7%までがほぼ横並び。「財務会計」「連結・管理会計」と「調達・購買」「生産計画」の4分野は50%以上が「12カ月より先」の刷新予定としている。

 いわゆる“情報系”システムが刷新予定時期が近く,定型処理が主体の“基幹系”的システムは長いスパンでの刷新が予定されている,と見れば順当な結果だ。ただし,業務横断的,システムのインフラ的な性格の「シンクライアント」や「対外接続」「業務継続支援」も,比較的刷新予定時期が近いグループに属していることが注目される。

“他社から参加”のシステム担当者が目にする刷新予定時期は短い

 図示していないが,この設問を,自社システムの業務は担当していないが“他社(顧客企業,親会社など)の情報システムにかかわる仕事をしている”という回答者群にも提示し,担当システムの刷新予定時期を聞いたところ,「対外情報提供(Webサイトなど)」は平均8.1カ月後で「自社システム担当者」の回答とほぼ同じだが,「販売・営業(情報提供系)」は14.7カ月後で,自社システム担当者の回答(10.0カ月後)との間に5カ月近いズレが出た。

 このほか自社担当者と他社担当者の刷新予定時期のズレが大きかった分野は,「生産計画」(自社担当者は平均18.9カ月後,他社担当者は平均9.2カ月後),「調達・購買」(18.9カ月後-9.3カ月後),「物流・在庫管理」(16.2カ月後-10.3カ月後)。「人事・給与」も,他社担当者での有効回答(主要業務としている)が30票未満のため参考値だが,17.0カ月後対10.0カ月後と,自社担当者の回答での平均の刷新予定時期より大幅に近い時期を提示した。

 これだけ大きな刷新時期のズレが,特に“基幹系”的システムで見られた理由は定かでないが,(1)自社システムの担当者が従事するシステム刷新に比べ,外部(他社)の担当者が参加する場合パッケージの利用などで短期構築を指向している,(2)外部(他社)の担当者が多く参加するのは構築作業がかなり進行した詳細設計などからの場合が多い,などの可能性が考えられる。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,業務システムの用途・目的として次の16種類を提示。その中から,回答者が現在システム担当業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)の中で,最も大きな比重を占めている用途・目的のシステムを最大3つまで選ぶよう求め,その3種の用途・目的のシステムについて,それぞれの今後の導入・更新・再構築の計画(時期と規模)について聞いた。
 提示したシステムの用途・目的は,「財務会計(単独)《46.4%》」,「連結会計,管理会計《52.8%》」,「人事・給与《40.7%》」,「販売・営業(管理・計数系)《52.9%》」,「販売・営業(情報提供系)《46.0%》」,「物流・在庫管理《45.3%》」,「生産計画(グループ企業,協力企業を含む)《47.1%》」,「調達・購買《50.5%》」,「対外接続・データ交換・入力フロントエンド《42.0%》」,「対外情報提供(Webサイトなど)《56.8%》」,「内部システム間接続・統合(ESB,製品/顧客/部品表統合マスターDBなど)《49.7%》」,「業務継続支援(バックアップ系など)《42.7%》」,「業務統制・文書管理(ワークフローなど)《47.3%》」,「経営戦略支援(BI/DWH,社内ポータルなど)《54.9%》」,「情報流通・共有(メール,グループウエアなど)《39.4%》」,「クライアント上の処理の集約(シンクライアント)《50.8%》」の16種類である。
 上記の《》内の数字は,その用途・目的を「最も大きな比重を占めている(最大3つ)」に選んだ回答者のうち,「導入・更新・再構築時期」を明示した(「未定」「予定なし」や無回答としなかった)比率である。「対外情報提供」が約57%とやや突出して高く,「業務継続支援」「対外接続・データ交換」「人事・給与」「情報流通・共有」の4分野が39~43%とやや低い。その他の11分野は45~55%の間に僅差で並んでいる。
 本文中の「平均の刷新予定時期」は,「今後新たに導入,または次に更新・再構築される時期の予定」に対する選択式回答の,「6カ月以内」を3カ月,「6カ月後~12カ月後」を9カ月,「12カ月後~24カ月後」を18カ月,「24カ月後~36カ月後」を30カ月,「36カ月後~48カ月後」を42カ月,「48カ月後~60カ月後」を54カ月,「60カ月後以後」を66カ月に換算して平均した。
 調査実施時期は2008年2月中旬,調査全体の有効回答は3317件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1279件。

図●今後新たにシステムを導入,または現行システムを更新・再構築する予定時期(単位:%,2008年2月調査)