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調査内容 主要SIerに対する「利用したい理由」(その1)
調査時期 2008年4月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 2920件(1136件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが企業情報システムの担当者(ITpro Researchモニター登録者)を対象に行った2008年4月調査で,「今後利用したい」という回答を得たSIer(5月15日付け記事参照)に対する「利用したい理由」を,得票数50以上の7社(大塚商会,NECフィールディング(Fielding),NTTデータ,富士通エフサス(Fsas),伊藤忠テクノソリューションズ(CTC),キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ),日立情報システムズ)について分析した。なお,ベンダーに対する「利用したい理由」の分析は,5月16日付け記事5月19日付け記事で紹介している。

SIerを選ぶ理由は「提案」「実績」「導入後のサービス」

 今回の調査で30人以上から『利用したい理由』の回答が得られたSIer18社(「調査概要」参照)の単純平均は,「過去の導入/利用実績」が31.9%(ベンダー23社平均は41.0%),ほぼ同率で「製品/サービスの機能」が31.2%(同56.4%)が上位に挙げられた。これに次いで「導入後のサービス(保守,稼働継続)」が27.9%(同23.6%),「提案、業務分析、情報提供」が25.5%(同11.1%)。ここまでが20%以上で,以下「ブランドや企業イメージ」が18.2%(同24.1%),「企業規模や体制」が11.9%(同10.2%),「コスト」は最も少なく11.2%(同15.9%)だった。

 ベンダー編と比較すると,SIerを『利用したい理由』は「提案」が約15ポイント高く,「導入後のサービス」と「企業規模や体制」の比率もわずかだがベンダー平均を上回った。「過去の実績」はベンダーが10ポイント近くSIerを上回っている。ベンダーがSIerに勝ったのは「機能」と「ブランド」と「コスト」という結果である。

「コスト」で強い支持,その他は平均的な大塚商会

 今回最も多数の回答者から「今後利用したい」とされたSIerは大塚商会。有効回答数30以上を得たSIer18社の中で,『利用したい理由』に「コスト」を上げた回答者の比率は,大塚商会の23.2%がトップ。7つの選択肢のうち「ブランド」(14.3%)が18社平均を約4ポイント下回り,「機能」(31.3%)がほぼ平均値。その他の4分野は平均値を上回っているがその差は4ポイント以内である。「コスト」以外の要因では,大塚商会は“SIerの平均的なイメージ”を示している形だ。

 今日の記事で図示した7社には,事務機などの強い営業・サービス網を持つという意味で,大塚商会と比較的近いイメージの業態のキヤノンMJの名前が挙がっている。しかし『利用したい理由』の比率を見ると,キヤノンMJは「機能」(32.2%)や「導入後のサービス」(33.9%),「過去の実績」(37.3%)が大塚商会に近い値を示しているが,「提案」(11.9%)で大塚商会と約16ポイントの差を付けられている。キヤノンMJの「利用したい理由は提案」の比率は有効回答数30以上のSIer18社中16位。むしろベンダー23社平均の11.1%,あるいは今回の図中のFieldingやFsasに近い。「コスト」(15.3%)もSIer平均値を上回ってはいるが,大塚商会ほどの強みとはみなされていないようだ。

メーカー系列だがFielding/Fsasと一線画す日立情報

 次に大手ベンダー系列のFielding,Fsas,日立情報システムズの3社を見ると,FieldingとFsasが比較的似た傾向を示しているのに対し,日立情報は“SIerの平均的なイメージ”の大塚商会と似たカーブを描いている。たとえば,「導入後のサービス」では18社中Fielding(50.6%)が断トツで,Fsas(41.0%)も18社中3位だが,日立情報はやはりSIer18社平均に近い28.8%である。

 逆に「提案」は,SIer18社中Fsasが15位,Fieldingが18位に沈んでいるのに対し,日立情報はほぼ18社平均に近い26.9%の回答者が『利用したい理由』に挙げている。「ブランド」もFsas(8.2%)が16位,Fielding(7.4%)が17位と低めなのに,日立情報は17.3%でSIer18社平均に近い。「企業規模や体制」に至っては日立情報(19.2%)がトップ(CSKグループの20.0%)と僅差の2位なのに対して,Fielding(7.4%)が16位,Fsas(4.9%)が18位と,大きな差が付いた。

 ただしFielding/Fsasと日立情報が接近している『利用したい理由』の項目もある。「機能」では有効回答数30以上のSIer18社中15位,16位,17位をこの3社が占めている。「過去の実績」も18社中1位のFielding(49.4%),2位Fsas(49.2%)とやや離れてはいるが,日立情報の38.5%は4位である。

NTTデータは提案とブランド,CTCは導入後のサービス

 年度売上高1兆円を超すSIer最大手のNTTデータに対する『利用したい理由』は,「提案」が最も多く36.5%。SIer18社中2位(1位は新日鉄ソリューションズの38.3%)。「ブランド」も32.4%の回答者が挙げており,SIer18社中3位の高率である。「機能」33.8%と「導入後のサービス」31.1%,「過去の実績」31.1%はSIer18社の平均レベル。さすがに「コスト」(6.8%)は低めだが,SIer18社中では13位で,意外に健闘しているといえるかもしれない。

 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の『利用したい理由』として最も多かったのは,やや意外なことに「導入後のサービス」で39.0%。SIer18社中4位である。次いで「機能」の35.6%(18社中4位),「提案」(33.9%,同4位)と「実績」(33.9%,同9位)。「コスト」(15.3%)もキヤノンMJと同率4位で,他のSIerと比較すれば高めの評価を得ている。ただしCTCは「ブランド」(15.3%)と「企業規模や体制」(10.2%)がSIerの平均より低い。

 次回5月21日公開の記事では,SIerの中で「利用したい理由」の有効回答数上位8位~15位の8社についての,『利用したい理由』を報告する。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,情報通信製品/サービス・ベンダーとシステム・インテグレーター(SIer)の主要企業各68社について,職務(担当システム)の領域で「今後利用したい」と感じるかを聞き,「今後利用したい」とした回答者に,そのベンダー/SIerを「利用したい」と感じる理由をたずねた。
 選択肢は「コスト」,「提案,業務分析,情報提供」,「製品/サービスの機能」,「導入後のサービス(保守,稼働継続)」,「企業規模や体制」,「ブランドや企業イメージ」,「過去の導入/利用実績」,「その他」の8つを提示。その中から,「利用したい」と感じる理由を最大3つまで選ぶよう求めた。そのベンダー/SIerを「利用したい」とした回答者数(無回答者を除く。図中のn)を100%として,それぞれの理由が選ばれた比率を集計した。
 今回の調査で30人以上から『利用したい理由』の回答が得られたSIerは,今日の記事で紹介した7社と,NECソフト,新日鉄ソリューションズ,日本アイ・ビー・エム・サービス,富士通ビジネスシステム,日立電子サービス,NTT-ME,住商情報システム,CSKグループ,富士ソフト,オービック,ネットワンシステムズの合計18社だった。
 評価対象企業全136社のリストは,本調査の設問の原文とともに,日経マーケット・アクセスの有償会員向けサイト「日経MA-INDEX 企業情報システム」で近日中に公開する予定。
 調査実施時期は2008年4月中旬,調査全体の有効回答は2920件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1136件。

図●主なシステム・インテグレーター(SIer)に対する「利用したい」理由
(回答数上位7社,n=50以上)