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 今回の調査では、基幹業務システムの“寿命”を調べた。開発時期と今後の利用計画の二つから試算した。

 まず開発時期(何年前に稼働したか)を尋ねたところ、「10年以内」との回答が全体の70%を占めた。「11~20年前」も18%、「21年以上前」も8%あった。従業員1000人以上の大企業では、その1割で「21年以上前」から稼働する基幹業務システムが現存していることもわかった。全体の単純平均は8.2年前だった。業種別でも大きな差はなかった(図1)。

図1●業種別に見た基幹業務システムのライフサイクル
図1●業種別に見た基幹業務システムのライフサイクル

 続いて現行の基幹業務システムをいつまで使うかを質問したところ、単純平均は5.4年だった。よって基幹業務システムのライフサイクルは平均13.6年となる。

 JUASが別の研究プロジェクト(「ハード/ソフトの寿命検討プロジェクト」)の一環として実施した調査では、ITベンダーは「基幹業務システムのライフサイクルはほとんどが10年以下」と認識していた。ユーザー企業とベンダーの認識には4年の隔たりがある。

 このギャップがユーザー企業を悩ませる。過去5年間にサポート打ち切りが原因でOSやミドルウエアといった基盤ソフトのバージョンアップを迫られた経験は実に58%の企業が持つ。同様に保守停止が原因のサーバー更新も57%の企業が経験している。

 多数のハードとソフトを保有する大企業ほど、この傾向は顕著だ。基盤ソフトで72%、サーバーでも72%の企業がこうした経験をしている(図2)。

図2●サポート切れに対する不満は高い
図2●サポート切れに対する不満は高い
過去5年間にサポート切れを受けて付加価値のないバージョンアップや機器更新を迫られた経験があるかを尋ねた

 保守停止やサポート打ち切りに、ユーザー企業はどう対処しているのか。サーバーでは「業務システムの機能拡張、再構築などの大きな更新に合わせて予算を取り対応を実施した」が33%、「承認された予算内で費用をねん出して対応を実施した」が25%。苦労がうかがえる(図3)。

図3●サーバーや基盤ソフト、パッケージソフトに対するサポート打ち切りへの対応(複数回答)
図3●サーバーや基盤ソフト、パッケージソフトに対するサポート打ち切りへの対応(複数回答)
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 基盤ソフトやパッケージソフトでも傾向は同じ。「システムを凍結し、新たな変更、改良はせずそのまま使う」との回答も3割ほどあった。

 今後のIT部門にはシステムの寿命に対する明確な指針が求められる。新規事業の立ち上げと、保守切れによるシステム更改のタイミングの同期を図る力量も必要だろう。

 アンケートを受けて実施したインタビューでは「基幹システムは基本的に経営モデルと合わなくなるまで使い続ける」「アプリケーションは永遠という考え方で開発/保守に当たっている」との意見が多数聞かれた。確かにハード価格はどんどん下がるが、「動作確認のコストが膨大」「ハードを換えると芋づる式に別の構成要素の更新を迫られる」といった指摘があった。