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 中堅・中小企業の経営課題解決に直結するITアプリケーションとは何なのだろうか。今回は昨今のITアプリケーション動向とユーザー意識調査の結果を重ね合わせることで,経営課題とITアプケーションの関連を解き明かしていく。

現場ごとに異なる建設業の基幹系業務システム

 経営課題の解決に重要なITについての調査結果を示す(表1表2)。これを見ると,財務管理,人事/給与管理,販売/在庫管理といった基幹系業務システムは,年商規模や業種に関係なくいずれも重要度が高いと認識されている。

表1●年商規模別の経営課題の解決に重要なITアプリケーション(非常に重要+重要と答えた割合:単位は%)
  中堅H 中堅M 中堅L 中小
財務会計 94.3 97.1 87.8 82.2
人事/給与 90.0 92.3 83.7 74.3
販売/在庫管理 86.0 85.6 81.5 65.8
生産管理 72.0 73.2 66.4 46.7
ERP 78.6 75.8 71.6 47.8
CRM 77.0 74.4 68.3 49.0
SFA 74.0 64.7 63.4 43.8
ECサイト 52.1 38.1 43.3 33.1
BI 70.2 70.9 61.7 43.8
ワークフロー
システム
75.9 77.6 65.4 46.9
グループウエア 74.3 82.2 69.5 50.4
電子メール 90.3 90.2 86.7 81.1
ブログ 17.5 17.8 20.6 17.0
SNS 20.8 18.2 23.7 15.5
メッセンジャー 27.9 19.9 29.6 23.1
Web会議システム 59.0 52.0 52.3 35.8
IP電話システム 60.0 61.9 55.4 55.1
光ファイバー回線 75.6 82.9 72.1 64.4
セキュリティ
システム
86.9 91.8 85.2 76.0
モバイル
ソリューション
71.3 58.7 55.0 35.4
※中堅H:年商300億~500億円,中堅M:年商100億~300億円,中堅L:年商50億~100億円,中小:年商5億~50億円

表2●業種別の経営課題の解決に重要なITアプリケーション(非常に重要+重要と答えた割合:単位は%)
  組立
製造業
加工
製造業
建設業 卸売業 小売業 IT関連サービス業 サービス業(IT関連を除く)
財務会計 92.2 93.9 71.9 93.2 97.4 88.0 88.0
人事/給与 90.4 81.3 71.0 85.7 92.3 81.9 85.3
販売/在庫管理 94.4 89.6 56.7 91.8 92.3 72.1 70.0
生産管理 96.3 90.6 63.3 52.4 60.0 48.2 42.7
ERP 78.5 71.2 53.8 72.7 73.6 65.8 61.4
CRM 73.0 64.0 53.6 74.6 82.4 67.1 61.4
SFA 65.8 60.0 50.0 65.6 80.0 66.6 53.7
ECサイト 46.3 43.4 39.3 47.6 51.5 36.9 39.8
BI 64.3 62.7 53.5 73.7 75.0 62.4 53.0
ワークフロー
システム
73.0 61.1 75.9 53.8 72.2 79.0 63.1
グループウエア 70.4 59.0 62.9 68.2 70.6 76.2 69.1
電子メール 89.7 82.9 84.2 86.9 97.4 87.2 86.9
ブログ 13.9 17.4 16.7 16.4 27.3 20.6 21.0
SNS 13.7 19.7 21.4 17.4 27.3 21.5 21.1
メッセンジャー 26.5 23.6 18.5 22.4 32.4 28.1 27.9
Web会議システム 64.0 48.0 37.0 41.8 47.1 52.7 44.0
IP電話システム 62.1 58.5 40.7 52.3 62.1 61.9 58.3
光ファイバー回線 75.9 73.1 64.7 71.5 84.6 72.5 74.0
セキュリティ
システム
85.2 85.8 81.9 81.6 89.5 82.6 88.1
モバイル
ソリューション
55.6 58.9 50.0 52.4 57.6 60.0 50.0

 建設業で重要度を示す数値がやや下がっているが,この背景には建設業の特殊性がある。建設業界は地場の商習慣との結び付きが強く,施工現場や支店ごとにそれぞれ異なる販売/経理処理を行い,集計データを本社のオフコンへバッチで転送する独自システムを開発・運用しているケースが多い。それらが順調に稼働している限り,いわゆる“基幹系業務システム”が経営上の課題となることはない。しかし,建設業界にも法制度改訂の波が押し寄せており,会計基準の工事完成基準から工事進行基準への移行が2009年4月へと迫っている。こうした状況を踏まえると,今後は建設業においても基幹系業務システムへの投資が活発化していくと予想される。

 このほか製造業で生産管理が重要視されたり,小売業でCRM(カスタマ・リレーションシップ・マネジメント)やSFA(セールス・フォース・オートメーション)が重要視されるのは,各業種とアプリケーションの特性を踏まえればごく自然な結果と言える。

 表1を見ると,電子メールやセキュリティ関連ソフトも基幹系業務システムと同程度に重要と考えられている。ただし,これらは経営課題の解決のためというよりは,IT活用に最低限必要なインフラとして認識されていると捉えるべきだろう。