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 光ブロードバンドの躍進が続いている。ここで言う光ブロードバンド回線とは,NTT東西や電力系通信事業者が提供するFTTHや広域イーサネット,イーサネット専用線など光ファイバのアクセス回線を指す。

 今回の調査結果では,各種通信サービスのアクセス回線として光ブロードバンドの利用率が昨年よりもさらに高まった。とりわけ主要拠点を結ぶ幹線ネットワーク向けでの伸びが大きく,利用率はほぼ7割に達した。企業におけるWANのオール光化が目前に迫ってきた。

 BフレッツなどのFTTHと閉域IP網を組み合わせたエントリーVPNを採用する動きも活発だ。幹線でのフレッツ・グループ(アクセス)の利用が増えるとともに,他のエントリーVPNサービスも利用率が高まっている。

 これに対して,どうしても押されがちになるのが従来型のIP-VPNや広域イーサネットだ。特に,幹線系で増加を続けていた広域イーサネットは減少に転じた。

支線系でIP-VPNが10ポイント近く増加

 詳しくデータを見てみよう。幹線系で強みを見せる広域イーサネットは,2006年34.3%,2007年には35.6%と利用率が増えてきた(図1)。ところが2008年は33.2%と,2006年をも下回る結果となった。

図1●企業ユーザーの主な通信サービスの導入推移<br>IP-VPNとインターネットVPNがさらに伸びを示す一方,広域イーサネットが落ち始めた。
図1●企業ユーザーの主な通信サービスの導入推移
IP-VPNとインターネットVPNがさらに伸びを示す一方,広域イーサネットが落ち始めた。
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 この減少分は,エントリーVPN,インターネットVPNに吸収されているようだ。実際,フレッツ・グループ以外のエントリーVPNを含めたIP-VPNのデータを見ると,2006年が44.1%,2007年が43.8%と減少しているのに対し,2008年では45.7%と約2ポイント増加した。

 サービスごとの利用率を見ると,エントリーVPNサービスであるNTTコミュニケーションズの「Group-VPN」,KDDIの「KDDI IP-VPNブロードバンドValue パック」などが大きく伸びている(p.29を参照)。フレッツ・グループは,幹線での利用率が12.5%(2006年),13.0%(2007年),14.4%(2008年)と徐々にではあるが増加を続けている。さらに,幹線でのインターネットVPNの利用率が42.5%(2007年)から45.4%(2008年)に増加した。

 これらのサービスは,主に中小拠点を結ぶ支線系ネットワークでもよく使われている。フレッツ・グループこそ,支線での利用は2007年の19.5%から18.0%へと1.5ポイント下がったものの,IP-VPNは幹線系よりも増加幅が大きい。2006年が31.3%,2007年が27.0%まで減少したのに対し,2008年では36.8%と10ポイント近い増加である。インターネットVPNも49.7%(2007年)から53.3%(2008年)へと増加した。

エントリーVPNが幹線系でも主流に

 広域イーサネットの減少,エントリーVPNの利用率の増加──。こうした変化の基になっているのは,NTT東西や電力系通信事業者のFTTH回線の大幅な伸びだ。

 図2は,幹線系と支線系の主力サービスのアクセス回線を2007年と比較したものである。デジタル専用線,メガデータネッツ,ISDN,xDSLなどの従来型のアクセス回線が減少する一方で,光ブロードバンド回線が伸びている。2007年は60.7%だった幹線系での光ブロードバンド利用率は,2008年には69.0%まで上昇した。支線系でも2007年の48.5%から51.3%に増え半数を超えた。

図2●光ブロードバンドへのシフトがさらに進むアクセス回線<br>主力回線について聞いた。
図2●光ブロードバンドへのシフトがさらに進むアクセス回線
主力回線について聞いた。
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 光ブロードバンド回線の中でも特に伸びが著しいのがFTTHである。幹線系では前年の24.7%から30.4%,支線系では33.1%から36.6%と増加した。WANサービスの利用傾向の変化と合わせて考えれば,多くの企業が,コスト・パフォーマンスに優れるFTTHとそれを使うエントリーVPNに移行していると推測できる。