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 金融・経済危機が深刻化するにつれ,企業では業務効率化やコストカットが,喫緊の経営課題になりつつある。読者の会社でも,昨秋以降,そうした取り組みが活発化しているのではないだろうか。IT関連業務も例外ではない。既にIT予算を削減したり,システム開発プロジェクトの延期・凍結に踏み切ったりする企業が出てきた。

 そこでITproの会員読者を対象にアンケート調査を実施し,企業のIT投資やコスト削減に関する現状と意識を探ることにした。実施期間は2009年2月23日~3月3日。1495人から回答を回収した。回答者の勤務先は,IT関連製品/サービスを利用する側(ユーザー企業)と提供する側(ITベンダー)がほぼ半々である(末尾の「回答者のプロフィール」を参照)。

 まず,昨秋以降に,会社で業務にかかわるコスト削減や投資抑制の要請が厳しくなったかどうかを尋ねた(図1)。その結果,半数近くが「非常に厳しくなった」(48.6%)と回答。「やや厳しくなった」(34.1%)を合わせると,実に82.7%に達した。「緩和された」という企業はほぼ皆無で,「以前と変わらない」が14.5%だった。

図1●業務にかかわるコスト削減や投資抑制の要請が厳しくなったか(有効回答数1270)
図1●業務にかかわるコスト削減や投資抑制の要請が厳しくなったか(有効回答数1270)

 今回の金融・経済危機では,世界中どの地域でも,どの業界でも例外なく,モノが売れない状況に陥っている。無駄な投資やコストを徹底して削減しなければ,利益を維持(あるいは赤字幅を縮小)することは困難だ。そうした状況の厳しさが改めて確認できる結果となった。

ユーザー企業とITベンダーの現状認識にギャップ

 次に,ユーザー企業の回答者だけを対象に,IT投資に関してどんな見直しがあったかを尋ねた(複数回答,図2)。最も多かったのは「IT投資を中核事業など重要なものに絞る」で33.2%。「システム運用の効率化やコスト削減を推進」(32.5%)が2番目に続いた。前者は「選択と集中」に徹する戦略,後者はITに関する運用のムダを排除する戦略であり,コストカットを進めつつも前向きな取り組みと言える。

図2●IT投資に関して見直しがあったか(回答者はユーザー企業,有効回答数636)
図2●IT投資に関してどんな見直しがあったか(ユーザー企業,有効回答数636,複数回答)

 3番目に多かったのは「新規のIT投資を凍結」で26.3%。コストカットを徹底している企業の回答者と見られる。コストカットをさらに徹底し,新規のIT投資どころか「既に進行しているIT関連プロジェクトを凍結または中止」した企業も1割を超えた(10.4%)。

 注目すべきは,4番目に多く,2割超の回答者が挙げた「業務の効率化やコスト削減につながるIT導入・活用を検討」(22.2%)だ。IT投資を単純にコストカットの対象と見るのではなく,逆に業務効率化やコスト削減につながるITへ投資する,という考え方である。ITの本来の役割や投資対効果を見据えた“積極策”と言えるだろう。