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 クライアントPCの多様化が進んでいる。まず第1に,スペック帯が幅広い。スペックを低く抑えた超低価格PCが人気を呼ぶ一方で,手元で複数の仮想マシンを動作させるユーザーもいる。第2に,業務アプリの利用形態が豊富である。WebブラウザやOfficeソフトをローカルで動作させる典型的な業務利用に止まらず,主に仮想マシンの遠隔操作用に画面情報端末が最注目されている。

 では,企業ユーザーの業務の実態として,現在では,どのようなスペックのクライアントPCを,どのような利用形態で使っているのか。ITproでは,ITpro会員を対象に「クライアントPCのスペックに関する調査」を実施した。実施期間は,2009年5月11日~5月19日。2009人から回答を得た。

解像度は過半数がXGAを超える,画面情報端末は1割超が利用

 図1は,日常的に業務で使っているクライアントPCのスペックについて調べた結果である。それぞれ,価格,きょう体の形状,解像度,メモリー容量の状況を示している。

図1●クライアントPCにおけるスペックの現状
図1●クライアントPCにおけるスペックの現状
業務用途で使っているクライアントPCのスペックを調べた。グラフは,価格,きょう体の形状,解像度,メモリー容量,それぞれの分布である。デスクトップ型よりは高額なノート型が半数近く(41%)を占めるとはいえ,10万円を超えるPCが主流となっている。ノート型のULCPC(超低価格PC)に見られるような1024×768ドット未満の低解像度のディスプレイは全体の5%に過ぎないなど,業務用途ではあまり使われていない。
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 グラフを見て,まず気になる特徴は,ノート型が41%と半数近くに達している点と,その影響もあってか,過半数(55%)が,比較的高額な部類である10万円以上のPCを使っている点である。

 コスト重視で安価なPCを購入している傾向は,あまり見られない。もっとも,性能あたりの購入コストは年々下がってきているため,5年以上前などPCが今よりも高額な時代に購入したまま使い続けているユーザーもいるだろう。

 画面解像度では,以前のビジネス標準である1024×768ドット(XGA)以上が91%と圧倒的。いわゆる“ネットブック”(ノート型の超低価格PC)に見られるような低解像度のディスプレイを使うユーザーは,業務用途では5%と少数派である。

 1024×768ドットを超える解像度も過半数(52%)に達する。デスクトップ型にしろノート型にしろ,現在では,新製品を選んだ時点で,液晶ディスプレイの解像度は1024×768ドットを超えているケースが多いだろう。

 では,こうした広い画面で,どのような業務アプリケーションを,どのような使い方で利用しているのか。

 図2は,業務アプリケーションの利用形態について,複数回答形式で調べた結果である。1位はWebブラウザのローカル駆動,2位は業務アプリのローカル駆動である。この2つは,順当な結果と言える。

図2●業務アプリケーション・ソフトの利用形態
業務アプリケーションの実装形態と利用環境を調べた。HTMLベースのWebアプリケーションを,クライアントPC上のWebブラウザから利用しているユーザーは多く,全体の70%を超えている。次点は,Win32アプリやJava/ActiveXアプリなどのリッチ・クライアント・アプリを,クライアントPC上で稼働させる形態である。リモート・デスクトップなどの画面情報端末や仮想マシンの利用は,まだ少ないものの,画面転送が10.6%,仮想マシンが6.3%と,健闘している。

 1位や2位と比べたら少ないものの,画面情報端末プロトコル(RDP/ICAなど)のユーザーが,10.6%と全体の1割を超えた。また,仮想マシンの形態でクライアントPCを利用するユーザーも,6.3%と健闘。両者の相関は調べていないが,仮想マシンを画面情報端末経由でリモート操作する“仮想デスクトップ”が浸透しつつあるのかも知れない。