米Deloitte Touche Tohmatsuは米国時間2009年6月10日,世界各地のベンチャ・キャピタリストの投資姿勢に関する調査結果を発表した。調査に協力したベンチャ・キャピタリストの51%は投資する企業の数を減らすとしており,世界的な景気低迷が短期的には投資縮小を引き起こしている。投資先を増やすと回答したベンチャ・キャピタリストは13%にとどまった。
全体的には規模の小さくなるベンチャ・キャピタル市場だが,環境技術分野に対する関心は高い。ベンチャ・キャピタリストの79%は環境技術分野向け投資が増えると予想し,63%は今後3年間で実際に増やす予定と答えた。そのほかに投資を増やすという回答の多かった分野は医療機器(37%),ニュー・メディア(26%),消費者向けビジネス/バイオ医薬品(24%),ソフトウエア(22%)。電気通信分野は15%,半導体分野は6%だった。
今後は投資活動のグローバル化が進み,米国以外への投資が増えると見込む。現在ベンチャ・キャピタリストの52%は海外に投資している。投資が増えると予想される地域を尋ねたところ,50%がアジア(インドを除く),43%がインド,36%が南米,25%が欧州(英国を含む),17%が北米を挙げた。
ベンチャ・キャピタリストの38%は,経済危機の前後で中国が最も成長するとみている。米国の成長を予想する人は18%だった。逆に経済危機の影響で低迷する国としては,米国(51%),英国(14%),中国(10%),ロシア(6%)という回答が多かった。
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