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 “携帯流通マネー”の市場規模は年間総額で1兆7000億円である。この年間総額に占める割合は現在は小さいが,今後の拡大が期待されているのが「動画コンテンツ」「ゲームコンテンツ」「電子書籍コンテンツ」の3分野だ。多様な電話機の出現や,高速モバイル・ネットワークのサービス開始が予定されているなど,携帯電話を使ったコンテンツ利用には追い風が吹く可能性が高い。日経BPコンサルティングは「携帯電話“個人利用”実態調査」で,それぞれのコンテンツ分野について,現在の利用状況,毎月の利用金額,今後の利用意向などを調べている。

「ゲームコンテンツ」の利用率は25.1%

 これらのコンテンツは,現在,どれくらいの人が利用しているのだろうか。それぞれのコンテンツを利用している人の割合は,その利用率が高い順に,「ゲームコンテンツ」(25.1%),「動画コンテンツ」(17.5%)「電子書籍コンテンツ」(7.6%)だった(図1)。

図1●「動画コンテンツ」,「ゲームコンテンツ」,「電子書籍コンテンツ」の利用率<br>携帯電話を使った3分野のコンテンツの利用率は,「ゲームコンテンツ」が最も高く25.1%。
図1●「動画コンテンツ」,「ゲームコンテンツ」,「電子書籍コンテンツ」の利用率
携帯電話を使った3分野のコンテンツの利用率は,「ゲームコンテンツ」が最も高く25.1%。
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 これらの利用率が,高いのか,低いのかは議論が分かれるところである。比較のために,普及が進んだと思われている「音楽コンテンツ」と「携帯電話のワンセグ機能」の利用率をみると,それぞれ26.5%,34.0%だった。

 気になるのは,今後,利用率が増えるかということだ。現在の利用率が20%以下のコンテンツ分野では,利用していない人に今後の利用意向を尋ねている。「今後,利用してみたい」との回答は,「動画コンテンツ」は10.2%,「電子書籍コンテンツ」は3.8%だった。

有料サービスの利用率が高い電子書籍

 コンテンツの提供ビジネスを,利用者が支払う利用料金を前提に考えると,有料サービスの利用率と支払い金額が問題となってくる。この二つでビジネスの売上高が決まるからだ。3分野のコンテンツについて,有料サービスの利用率と支払い金額を比較すると,有料サービス利用率が最も高いのは「電子書籍コンテンツ」,支払い金額が最も高いのは「動画コンテンツ」だった(図2)。

図2●3分野のコンテンツについて有料サービスの利用率と支払い金額を比較<br>有料サービス利用率が最も高いのは「電子書籍コンテンツ」,支払い金額が最も高いのは「動画コンテンツ」だった。
図2●3分野のコンテンツについて有料サービスの利用率と支払い金額を比較
有料サービス利用率が最も高いのは「電子書籍コンテンツ」,支払い金額が最も高いのは「動画コンテンツ」だった。
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 「ゲームコンテンツ」を利用しているとの回答者の中で,有料サービスを利用しているのは31.8%,有料サービスに支払っている月額は平均350.3円。3分野の中で最も安い。

 「動画コンテンツ」を利用しているとの回答者の中で,有料サービスを利用しているのは17.1%。「動画コンテンツ」の場合,有料サービスへの月額支払い金額は平均956.9円だった。平均金額は3分野の中で最も高い。

 「電子書籍コンテンツ」の場合,「電子書籍コンテンツ」を利用しているとの回答者の中で,有料サービスを利用しているのは41.4%で,3分野の中で有料サービスを利用している割合が最も高い。毎月の平均支払い金額は平均668.7円である。

上位サイトの寡占化が進む「動画コンテンツ」

図3●最もよく利用する動画サイト
図3●最もよく利用する動画サイト
前回調査(2008年6月)からの1年間で,上位サイトの寡占化が進んだ。

 3分野の中でも今後の拡大が見込まれる「動画コンテンツ」では,上位サイトの寡占化が進んでいる。最もよく利用する動画サイトを尋ねたところ,1位は「YouTubeモバイル版」(27.7%),2位は「Yahoo!動画(携帯電話向け)」(19.0%),3位は「ニコニコ動画モバイル」(10.4%)という結果だった(図3)。4位以下は回答が5%に満たない。

 上位3位までのサイトの回答を合計すると57.1%と6割に迫っている。前回調査(2008年6月調査)では46.7%だった。前回調査からの1年間で,上位サイトが占める割合が高くなっていることが分かる。

 最もよく利用する動画サイトを視聴する理由も尋ねている。1位は「コンテンツの種類が豊富だから」(35.2%),2位は「見たいコンテンツが探しやすいから」(21.2%),3位は「面白いコンテンツがあるから」(16.6%)だった。

 動画視聴に対する評価も尋ねた(図4)。動画を視聴している人が挙げた評価は,1位が「画面が小さく,動画が見づらい」(41.6%),2位が「バッテリーがすぐになくなる」(38.3%),3位が「画質・音質が悪い」(24.3%)だった。このようなマイナスの評価がある一方で,「携帯電話でも十分に楽しめる(特に不満はない)」とのプラスの評価も15.5%あった。

図4●動画視聴に対する評価も尋ねた
図4●動画視聴に対する評価も尋ねた
1位は「画面が小さく,動画が見づらい」の41.6%。
調査概要
調査名携帯電話“個人利用”実態調査2009
調査内容:携帯電話の個人利用実態とその動向を調査した。全153問
調査対象:全国の携帯電話利用者(PHSも含む)
調査方法:Webアンケート調査
調査期間:2009年6月4日(木)から8日(月)まで
回収数:11区分の年齢区分(15歳以上から5歳刻み,65歳以上は一括)に対して男女それぞれ200人ずつ,合計4400人
調査の実施および集計日経BPコンサルティング