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 日経BPコンサルティングは2010年3月に、全国のモバイルデータ通信端末ユーザー1600人に対して、「第2回 モバイルデータ通信端末満足度調査」を実施した。その結果、モバイルデータ通信端末利用における顧客満足度で、NTTドコモが2年連続で総合満足度1位を獲得。各項目別では14項目中5項目で顧客満足度が1位となった。

 モバイルデータ通信端末は、PCなどに接続してデータ通信を行うモバイル端末で、PCカードタイプ、CFカードタイプ、USBタイプ、Expressカードタイプなどがある。データ通信端末の機能を内蔵したPCも各キャリアから提供されており、NTTドコモのHIGH-SPEED対応PC、KDDI(au)の通信機能搭載PC、ソフトバンク、イー・モバイルの通信モジュール搭載PC、UQ WiMAX搭載PCがある。

データ通信端末が携帯電話市場を牽引

 2009年度の携帯電話市場は、ソフトバンクのiPhoneのヒットにはじまるスマートフォン市場の拡大と、デジタルフォトフレームやノートPCなどに接続して利用するデータ通信端末市場の拡大が中心となった。

 特にノートPCなどに接続して利用するデータ通信端末市場は、2009年7月にWiMAXの商用サービスを開始したUQコミュニケーションズが2009年度末に約15万契約を獲得し、データ通信端末を中心に提供しているイー・モバイルが2007年5月から2010年4月までの35カ月連続でデータ通信端末の販売シェア1位(イー・モバイル調べ)を獲得するなど、新しいキャリアが躍進してきている。一方、NTTドコモは、データ通信端末のプロモーションを強化したこともありデータ通信端末の販売が好調で、2009年度の携帯純増数で4年ぶりの首位となった。まさに2009年度の携帯電話市場の新規契約獲得において、データ通信端末は中心的存在だったといえる。

 全キャリアが、無線データ通信端末に定額制を導入し、ユーザーが安心してデータ通信を利用する環境が整ってきたことも、無線データ通信市場の拡大につながっている。また、WiMAXが下り40Mbps/上り10Mbps、イー・モバイルが2009年7月から提供しているHSPA+が下り21Mbps/上り5.8Mbpsと、データ通信速度も高速化が進み、固定ブロードバンドの代替として無線データ通信を利用するユーザーも増えてきている。

「通信エリア」「通信速度」「端末」「料金」など15項目で評価

 3月に実施した「第2回 モバイルデータ通信端末満足度調査」で取り上げた項目は、昨年の調査と同様、「通信エリア(屋外)」、「通信エリア(屋内)」「データ通信速度」、「通信品質(接続までの時間)」、「通信品質(通信中の切断)」、「端末の価格」、「端末の性能/機能/使いやすさ」、「端末デザイン/サイズ」、「利用できるアプリケーション」、「月額利用料金」、「料金プラン/割引サービス」、「データ通信定額制」、「販売店・ショップ店員の対応」、「アフターサービス・サポート」の14項目に「総合満足度」を加えた15項目。満足度を4段階評価(非常に満足/どちらかといえば満足/どちらかといえば不満/不満)で回答してもらった。昨年は、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク、イー・モバイル、ウィルコムの5キャリアのユーザーを対象にしたが、今回は、新たにUQコミュニケーションズのユーザーを加えた。

エリア、店員の対応、アフター・サポートサービスに強いNTTドコモ

 各満足度をスコア化した結果を図1に示す。

図●データ通信端末利用における満足度(相対値スコア)
図●データ通信端末利用における満足度(相対値スコア)
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 調査では、NTTドコモが、「総合満足度」をはじめとした15項目中6項目で満足度1位となった。特に、エリアの満足度の高さが目立っており、これはNTTドコモのエリア対策の賜物といえる。さらに顧客満足度の上で重要な要素である「店員の対応」、「アフターサービス・サポート」においても、他キャリアと比較して高い満足度を得ている。

 一方、KDDI(au)は、エリア面に関してはNTTドコモに次いで満足度が高いものの、他の項目については、全体の平均レベル前後という評価であり、突出して満足度の高い項目、低い項目がない。その点で、バランスの取れたキャリアと言える。

 ソフトバンクについてもKDDIと同様の傾向が見られるものの、全体平均レベルよりも低い項目が多い。特にエリア面の満足度の低さが目立つ。ソフトバンクはエリア対策が最重要課題と言えそうだ。

 イー・モバイルは、「通信品質(接続までの時間)」の満足度が、他キャリアを上回っている。「端末の性能/機能/使いやすさ」に関しても、突出して高い。反面、イー・モバイルの売りである「データ通信速度」「料金」に対しての満足度は低調である。

 「データ通信速度」については、HSPA+を導入し下り21Mbpsを提供しているものの、その効果が数値に表れていない結果となっている。イー・モバイルの契約者数の増加によるトラフィック集中エリアでのデータ通信速度の低下が、ユーザーの不満につながっていると想定される。

 料金面では、ウィルコム、UQの満足度が高い。ウィルコムに契約している多くのユーザーの選択理由は料金の安さということもあり、料金面での満足度は他のキャリアよりも高い。UQも月額380円からの定額という低料金を訴求ポイントにしていることもあり、「データ通信定額制」に対する満足度は高い。

 「データ通信速度」については、ウィルコムとUQで両極端の評価となっており、UQユーザーの満足度の高さと、ウィルコムユーザーの不満度が目立つ。

 UQは、訴求ポイントの高速データ通信が、ユーザーにとって満足いくものになっているといえる。UQのユーザーは、自宅で固定BBの代替として利用しているユーザーも少なくない。ウィルコムのデータ通信速度は、会社更生法を申請した同社を支援するソフトバンクの次世代PHSへの取り組みいかんといえるであろう。

 2010年のデータ通信端末市場は、KDDI(au)のWiMAX/EV-DOハイブリッドデータ通信やNTTドコモのLTE(=Long Term Evolution)といった高速データ通信サービスが登場するほか、次世代PHSにソフトバンクが加わるなど、2009年以上に話題が豊富である。2010年の様々なデータ通信の市場環境の変化が、さらなる各キャリアの顧客争奪戦を激化させるだろう。各キャリアのデータ通信端末を中心とした戦略が携帯電話市場全体に及ぼす影響には、今後も注視していく必要がありそうだ。

「第2回 データ通信端末満足度調査」の調査概要
 データ通信端末所有ユーザー1600人(NTTドコモ:n=300、KDDI(au):n=300、ソフトバンク:n=300、イー・モバイル:n=300、ウィルコム:n=300、UQコミュニケーションズ:n=100)に対して、2009年3月10日~3月15日にWebアンケート調査を実施した。無線LAN専用のタイプ、イー・モバイル「PocketWiFi」、デジタルフォトフレームは調査対象から除いた。