今やパソコンは我々の仕事や生活に不可欠なツールとなった。業務の効率化や生産性向上、取引先や友人、知人との円滑なコミュニケーションを担う大切なパートナーである。
購入から数年間を共に過ごすと考えれば、簡単に製品を選ぶことはできない。機能が著しく劣っている、あるいは操作性が悪くて扱いづらい製品は避けたい。すぐに壊れてしまうような品質が劣る製品などもってのほか。トラブル時には迅速かつ的確に対応してくれる信頼性の高いメーカーを選びたい。
パソコンは既に成熟化した製品だと言われている。確かに、以前と比べれば、機能の画一化が進み、製品ごとの違いが見えづらくなっているかもしれない。「パソコンなんてどれを買っても同じ」と評する人もいる。だが、買ってから「しまった」と思うことも実際には多いものだ。
ユーザーが機能や操作性に満足でき、かつ安心して使えるパソコンは一体どれなのか。これを確かめるために、日経パソコン編集部では実際にパソコンを購入したユーザーにその評価を聞くアンケート調査を実施した。同様の調査は2007年から実施しており、今回で4回目となる。
調査対象は、過去3年以内に個人向けパソコンを購入したユーザー。パソコンの性能・機能、操作性、デザイン、サポートなどの評価を聞いた上で、最後に総合的な満足度について回答を得た。総合満足度はノートとデスクトップに分けて集計した。
結果は図1、図2の通り。ノートパソコン部門は、ほとんどのメーカーが4.5ポイントから5ポイント強の範囲に収まる僅差の中、パナソニックが1位。同社のLet's noteはビジネス用途を重視した製品で堅牢性に優れ、バッテリー駆動時間が長く、本体が軽いことが評価を受けた。
2位はレノボ・ジャパン。こちらも堅牢性が特徴。ただ、最近では価格の安い製品を投入し、コストパフォーマンスの評価も高まっている。過去3年間の推移を見ると1位と2位は、パナソニックとレノボの2社で競い合っているが、今回はパナソニックが上回った(図3)。
3位は東芝。昨年の7位から大きく躍進した。高音質スピーカーを搭載するなどAV機能の充実ぶりや、丁寧なサポートで高評価を得た。

デスクトップ部門は、エプソンダイレクトが1位になった。2008年から、3回連続の1位である。購入時に仕様を選択できることから性能・機能の面で不足がないこと、拡張性の高い本体ケースなどで支持を受けた。満足度に大きく寄与しているのがサポート。特に、修理の際に短期間でユーザーの元に製品を戻す「1日修理」に対する評価が高い。
2位は日本ヒューレット・パッカード。コストパフォーマンスが高いことで評価を受けた。昨年の7位から3位に上昇したのがNEC。リモコンや録画操作など地上デジタルのテレビ関連の機能で一定の評価を得ているほか、老舗メーカーとして長年培った信頼性がユーザーを引き付けている。