米Gartnerは英国時間2010年11月10日、世界携帯電話市場に関する調査結果を発表した。それによると、2010年第3四半期におけるスマートフォンの世界販売台数は、前年同期比96%増の8053万台になり、携帯電話全体の19.3%を占めた。
スマートフォン市場をOS別に見ると、Symbianが首位を維持したが、そのシェアは36.6%と前年同期の44.6%から大きく減少した(表1)。一方でAndroidの躍進が続いている。前期に初めてAppleのiOSを追い抜いて3位になったのに続き、第3四半期は25.5%のシェアを獲得して2位に上昇した。韓国Samsung製の「Galaxy S」といったハイエンド機だけでなく、低価格機が各端末メーカーから登場したことで、消費者の幅広い層に受け入れられている。
OS名 | 2010年Q3販売台数 | 同シェア | 2009年Q3販売台数 | 同シェア |
---|---|---|---|---|
Symbian | 2948万100 | 36.6% | 1831万4800 | 44.6% |
Android | 2050万 | 25.5% | 142万4500 | 3.5% |
iOS | 1348万4400 | 16.7% | 704万400 | 17.1% |
BlackBerry | 1190万8300 | 14.8% | 852万2700 | 20.7% |
Windows Mobile | 224万7900 | 2.8% | 325万9900 | 7.9% |
Linux | 169万7100 | 2.1% | 191万8500 | 4.7% |
その他 | 121万4800 | 1.5% | 61万2500 | 1.5% |
合計 | 8053万2600 | 100% | 4109万3300 | 100% |
iOSのシェアは、前年同期の17.1%から16.7%へと下がっている。だが、6月後半に発売した「iPhone 4」が好調で、カナダResearch In Motion(RIM)のBlackBerryを抜いて3位になった。iPhoneの販売台数は前年同期から約92%増えた。
BlackBerryのシェアは14.8%で、前期の2位から4位に後退。Windows Mobileはシェア2.8%。前期の5.0%、前年同期の7.9%から縮小したものの順位は5位を維持している。
2010年第3四半期における携帯電話全体の販売台数は、前年同期比35%増の4億1700万台。ベンダー別ランキングでは、1位がフィンランドのNokia(シェアは28.2%)、2位は韓国Samsung(同17.2%)、3位は韓国LG(同6.6%)と前期と変わらないが、各社のシェアはそれぞれ縮小している(表2)。
OS名 | 2010年Q3販売台数 | 同シェア | 2009年Q3販売台数 | 同シェア |
---|---|---|---|---|
Nokia | 1億1746万1000 | 28.2% | 1億1346万6200 | 36.7% |
Samsung | 7167万1800 | 17.2% | 6062万7700 | 19.6% |
LG | 2747万8700 | 6.6% | 3190万1400 | 10.3% |
Apple | 1348万4400 | 3.2% | 704万400 | 2.3% |
Research In Motion | 1190万8300 | 2.9% | 852万2700 | 2.8% |
Sony Ericsson | 1034万6500 | 2.5% | 1340万9500 | 4.3% |
Motorola | 896万1400 | 2.1% | 1391万2800 | 4.5% |
HTC | 649万4300 | 1.6% | 265万9500 | 0.9% |
ZTE | 600万3600 | 1.4% | 414万3700 | 1.3% |
Huawei Technologies | 547万8100 | 1.3% | 333万9700 | 1.1% |
その他 | 1億3779万7600 | 33.0% | 4987万1100 | 16.1% |
合計 | 4億1708万5700 | 100% | 3億889万4700 | 100% |
一方でAppleがシェア3.2%で前期の7位から4位に上昇した。RIM(シェア2.9%)は前期の4位から5位に下がった(関連記事:2010年Q2の世界スマートフォン市場、「Android」が「iOS」を抜いて3位に)。
第3四半期の世界携帯電話市場は好調なスマートフォン販売を背景に堅調に推移していた。ただし、いわゆる「ホワイトボックス携帯電話」と呼ばれる低価格の無名ブランド端末が新興国市場で伸びており、市場全体に大きな影響を及ぼしている。
これまで中国で多く見られたホワイトボックス携帯電話は、インドやロシア、アフリカ、中南米の市場へと広がりつつあるという。「こうした地域では依然『非3G』端末の需要があり、この現象はしばらく続くだろう」とGartnerリサーチディレクタのCarolina Milanesi氏は話している。
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