米IDCが米国時間2010年11月11日に発表したパソコン向けマイクロプロセッサの世界市場調査によると、同年第3四半期(7~9月)における出荷個数は前期比2.1%増、前年同期比8.6%増、売上高は前期比2.5%増、前年同期比24.1%増となった。
例年第3四半期の平均値は、出荷個数が前期比10.6%増、売上高が同9.0%増で推移しており、これと比べると今年第3四半期は緩やかな成長にとどまった。これは7月と8月のプロセッサ需要が低迷したことが要因。パソコンメーカー各社が需要の弱含みに敏感に反応して生産を抑制したため、プロセッサや汎用部品の発注量が減少した。
出荷個数をパソコンのフォームファクタ別に見ると、モバイルパソコン向けが前期比1.6%増、PCサーバー向けが同4.1%増、デスクトップ向けは同2.4%増。1年前と比べるとそれぞれ、13.3%増、24.4%増、1.7%増となる。
第3四半期における各社の出荷個数シェアは、Intelが0.3ポイント拡大して80.4%となった。米AMDは0.2ポイント増の19.2%、台湾VIA Technologiesは0.1ポイント増の0.4%である。
出荷個数のシェアをフォームファクタ別で見ると、モバイルパソコン向けは、Intelが85.9%(前期比0.2ポイント減)、AMDが13.7%(同横ばい)、VIAが0.4%(同0.2ポイント増)。PCサーバー/ワークステーション向けは、Intelが93.7%(同0.2ポイント増)、AMDが6.3%(同0.2ポイント減)。デスクトップパソコン向けは、Intelが71.8%(同0.4ポイント減)、AMDが27.8%(同0.5ポイント増)、VIAは0.4%。
2010年第4四半期は例年並みに持ち直すとIDCは予測している。メーカー各社がIntelの「Sandy Bridge」やAMDの「Fusion」を搭載する製品の生産を開始し、通常の季節的パターンで推移すると見ている。また2011年については、新興国市場で消費者需要が引き続き停滞するものの、今後1年間にわたって企業のパソコン買い換えが進むことから、パソコン市場、プロセッサ市場ともに2桁成長が見込めるとしている。
[発表資料へ]