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 光産業技術振興協会(光協会)は2011年4月19日、2010年度の光産業動向調査の結果を発表した。同調査は1980年から毎年実施しているもので、光産業を「情報通信」「情報記録」「入出力」「ディスプレイ・固体照明」「太陽光発電」「レーザー加工」「センシング・計測」の7分野に分類。分野ごとの国内生産額を調査・報告している。さらに今回から、日本企業の海外生産を含む全出荷額の調査も実施している。

 今回発表されたのは、国内生産額の2009年度実績/2010年度見込み/2011年度予測と、全出荷額の2009年度実績と2010年度見込みの調査結果である。このうち光産業全体の国内生産額は、2009年度実績が対前年度比9.5%減の7兆5843億円だったのに対し、2010年度見込みは8.4%増の8兆2242億円とV字回復を遂げるとした(ただし2010年度から新規にLED電球などの固体照明を調査項目として加えたため、その分を割り引く必要がある)。また2011年度予測については1.9%増の8兆3805億円としたが、この予測は東日本大震災の発生以前にまとめたもので、実態とかけ離れる可能性が高いという。

 情報通信分野の国内生産額は、2009年度実績が10.6%減の4760億円に対し、2010年度見込みは3.9%増の4944億円(図1)。さらに2010年度の調査結果を項目別に見ると、例えば光伝送機器・装置は1.1%減とわずかに減少する。景気回復を受けて幹線系が20.5%増、映像伝送は36.2%増、光ファイバー増幅器が48.5%増といずれも成長する一方で、投資サイクルの影響によりメトロ系が18.2%減、加入者系も15.9%減と減少するためだ。

図1●分野別の光産業国内生産額の推移<br>2011年度予測は東日本大震災前の調査による。出典:光産業技術振興協会
図1●分野別の光産業国内生産額の推移
2011年度予測は東日本大震災前の調査による。出典:光産業技術振興協会
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 通信用半導体レーザーは、長距離大容量通信に向く1.5μm帯の半導体レーザーが前年度から引き続き好調で、16.7%増となる見込み。通信用受光素子はアジア向けの需要拡大から37.7%の大幅増。光伝送リンクは、データセンターなどで広く利用され始めている伝送速度10Gビット/秒以上の製品需要が拡大し、33.3%増を見込んでいる。光ファイバー融着機は情報インフラの整備が進む海外需要もあり、11.7%増と見ている。

 また今回の調査報告に合わせて、光協会は「2030年代に向けた光テクノロジーのロードマップ策定」をスタートしたと発表。2011年度から5カ年計画で、(1)情報処理フォトニクス、(2)光ユーザーインタフェース、(3)環境・安全フォトニクス、(4)光情報通信、(5)光加工---の5分野のロードマップを年度ごとに順次策定する。2011年度に取り組む情報処理フォトニクスでは、光配線や光ストレージなどの技術を対象とする予定。