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 英国のがん研究所Institute of Cancer Researchは,携帯電話と聴神経腫瘍の関連性について調査した結果を,英国時間8月30日に発表した。それによると,携帯電話を使用して最初の10年間は,聴神経腫瘍が発生する大きなリスクはないという。

 調査は,携帯電話の普及がとりわけ早かった英国,デンマーク,フィンランド,ノルウェー,スウェーデンにおいて,聴神経腫瘍の患者678人と健常者3553人を対象に実施したもの。携帯電話の利用に関して,その期間,頻度,機種,ハンズフリー装置の有無などについて尋ねた。

 聴神経腫瘍は,耳の奥にある聴神経を包む細胞にできる良性の腫瘍。難聴や耳鳴り,めまいなど平衡感覚の異常を伴うことがある。しかし,良性の腫瘍のため進行は遅く,他の臓器に転移することはない。

 調査では,聴神経腫瘍の発生と,携帯電話の使用年数,最初に使用し始めてからの経過年数,通話時間や通話頻度との間に,関連性を立証することはできなかった。またアナログ式およびデジタル式携帯電話との関連性も認められなかった。しかし10年以上,長期にわたって使用した場合は,発症率が高まる可能性を完全に否定できないという。

 同研究所上級研究者のAnthony Swerdlow氏は,「携帯電話は,聴神経がある耳に当てて利用するため,聴神経腫瘍を不安に思うユーザーが多い。しかし,最初の10年間については,発症の大きなリスクがないことが分かった」と述べる。「携帯電話はまだ比較的新しい技術のため,使用年数が長くなった場合のリスクについてはデータが不足しており,未知の領域と言える」(同氏)

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