米MCIと米Verizon Communicationsは,MCI社が10月6日に開催を予定する特別株主総会の委任状の郵送を開始する。両社が米国時間9月1日に発表した。今回の株主総会は,同社がVerizon社に合併されることの是非を問うもの。
MCI社が証券取引委員会(SEC)に提出した書類によれば,委任状は9月2日から郵送が開始される。
Verizon社は,MCI社の買収に関して米Qwest Communications Internationalとの争奪戦を経て6月に買収の合意にこぎつけた。Qwest社は,Verizon社の約84億ドルを上回る97億ドルの買収案を提示していたが,MCI社取締役会は,Qwest社の財政状況への不安,相乗効果に対する疑問などを理由に,満場一致でVerizon社を選択した。
米メディアの報道(internetnews.com)によると,MCI社の株式を5%近く保有する機関投資家のDeephaven Capital Managementは合併に反対する意見を明らかにしている。また,いくつかの消費者団体や米カリフォルニア州のインターネット・サービス・プロバイダ業界団体のCalifornia ISP Associationも合併に反対する意見を表明しているという。
また同日,MCI社と米連邦検事事務所は,旧WorldCom時代における会計問題に関して同社を起訴することなく捜査を終了することで合意したことを発表している。
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