PR

 米Amazon.comは,2005年第3四半期の決算を米国時間10月25日に発表した。同期の売上高は18億6000万ドルで,前年同期の14億6000万ドルから27%増加。同期の純利益は裁判関連費用が計上されたため,3000万ドル(希薄化後の1株当たり利益は7セント)となり,前年同期の5400万ドル(同13セント)から大幅な減益となった。

 同期の決算には,Soverain Software社が起こした特許侵害訴訟の和解金として支払った4000万ドル(税引き後2000万ドル)が計上されている。これを除いた場合,同期の純利益は5000万ドル(1株当たり12セント)だった。

 営業利益は5500万ドルで,前年同期の8100万ドルから32%の減益となった。裁判関連の費用を除いた場合,同期の営業利益は17%増の9500万ドルとなる。

 地域別にみると,同期の北米部門(米国,カナダ)における売上高は10億400万ドルで,前年同期と比べて28%の増収。営業利益は前年同期の5700万ドルから16%増の6600万ドルとなった。Amazon ServicesのMerchant.comプログラムを含むその他の売上高は5300万ドルに達した。

 海外部門(英国,ドイツ,フランス,日本,中国)の売上高は8億1700万ドルで,前年同期と比べて26%(為替の影響を除いた場合は28%)の増収。営業利益は5500万ドルで,前年同期の3800万ドルから46%増加した。

 同期のエレクトロニクスとその他の日常品部門の売上高は43%増の4億9100万ドルに達した。これは総売上高の26%に相当する。同四半期中に発売されたハリー・ポッター最新作「Half-Blood Prince」は世界で160万部が売れ,Amazon最大のヒットとなった。

 また,米南部を直撃したハリケーン「カトリーナ」の被災地救援の募金に対して,Amazon.comユーザーから米赤十字に寄せられた義援金が1200万ドルを超えた。その他にも,同期は子会社のA9.comが,通りから見た建物などの周辺写真を,地図とともに表示する地図検索サービス「A9.com Maps」の提供を開始している。

 同社は,今後の業績見通しについても明らかにした。それによると,第4四半期の売上高は前年同期比13~24%増の28億6000万~31億6000万ドルの範囲になると見込む。2005年通期では前年比21~25%増の83億7300万ドル~86億7300万ドルの範囲を予想している。

◎関連記事
米Amazon.comの2005年Q2決算,売上高26%増だが減益
米Amazon.comが短編文学のデジタル配信サービスを開始,1編49セント
米A9.com,通りの風景写真を表示する地図検索サービス「A9.com Maps」
米Amazon.com,デジタル写真サービスを米Shutterflyと共同ブランドで提供
PC関連販売サイトの応答性と信頼性で米Appleが首位,顧客満足度は米Amazon.comがトップ

発表資料へ