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 スペインの通信事業者Telefonicaは,英国のモバイル事業者のO2を買収することで合意したことを現地時間10月31日に明らかにした。Telefonica社は,10月28日のO2社の株式終値164.25ペンスに対し,およそ22セントのプレミアムを付けて1株当たり200ペンスで買収する。最終的な買収金額は177億ポンドとなる。規制当局の承認などを経て,2006年1月に買収手続きの完了を見込む。

 O2社は,英国,ドイツ,アイルランド,マン島でネットワーク事業を展開している。O2社は,買収された後もO2ブランドを維持し,引き続き拠点を英国に置く。同社は,これまでにオランダのKoninklijke KPNやドイツのDeutsche Telekomなどいくつかの通信事業者から買収の申し出を受けている。

 米メディアの報道(InfoWorld)によると,今回の買収は,2001年に英Vodafone Groupが仏Orangeを410億ドルで買収して以来,欧州最大の規模となる。

 買収を通じてTelefonica社は,欧州でもっとも大きいドイツと英国のモバイル市場への参入を狙う。Telefonica社は,数年前にドイツに固定回線のネットワーク・サービス・プロバイダを所有していたが,第3世代(3G)携帯電話事業の失敗で,同国における携帯電話事業から撤退していた。O2社を通じて,Telefonica社はドイツで4番目に大きい携帯電話会社であるO2 Germanyを獲得することになる。

 また,Telefonica社は,同社の買収を通じて機器調達などの分野でも相乗効果を見込んでいる。顧客ベースも2500万増加し,中南米地域を含む総顧客数は1億7000万人に拡大すると予想している。

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