米国電気電子学会(IEEE)は,ハードウエア記述言語の「SystemVerilog IEEE 1800-2005」を新規格として,「Verilog 1364-2005」を改訂版として承認したことを米国時間11月9日に発表した。
SystemVerilogのIEEE 1800は,チップ設計に使われるVerilogを拡張した言語。IEEEの標準化委員会で開発された同言語は,ハードウエア設計,仕様,検証に使われるもので,より複雑になっている電子システムと半導体設計に対応する。既存のVerilog規格の改訂版であるIEEE 1364-2005は,いくつかのあいまいとされてきた部分が解消され,マイナーな問題を修正しているという。
IEEEによれば,SystemVerilog規格により,ハードウエア設計,仕様,シミュレーション,評価における生産性が向上する。同規格は,EDA(Electronic Design Automation)規格に関する標準化団体Accelleraが策定したハードウェア設計/検証言語(HDVL)の「SystemVerilog 3.1a」をベースとしており,高度な設計モデリング,テストベンチの作成,アサーションとベンチテスト言語を使った検証メソッドを提供し,C/C++といった他言語との連携を強化するという。
統合型の同規格により,電子設計,半導体,システム設計コミュニティは,より効率的に設計,シミュレーション,検証を行なうことができるという。設計者は,Verilog以外の言語も併用できるため,既存の設計と知的財産を利用できるとIEEEは説明している。
SystemVerilog IEEE Std 1800-2005とVerilog IEEE Std 1364-2005は,IEEE storeから購入可能となっている。また,IEEE規格のオンライン購読を通じて入手することもできる。
◎関連記事
■ IEEE,電力線ネットワーク向けMAC/PHY規格「IEEE P1901」の策定を開始
■米IBM,チップの設計/検証ツールをオンデマンドで提供するポータルを発表
■ IEEEが電源線を介したBPLハードウエア規格の策定作業を開始,「2006年半ばの完成を目指す」
■米メンター・グラフィックス,FPGA設計ソフトの新版「FPGA Advantage 5.3」を発表
[発表資料へ]