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 Linuxの生みの親であるLinus Torvalds氏は,Linuxカーネルのソフトウエア・ライセンスをGPL Version 3(v3)移行しないことについて,理由を説明した。Torvalds氏が米国時間2月2日,Linuxカーネル関係のメーリング・リストlinux-kernel mailing listへの投稿で明らかにしたもの。

 GPLv3は,デジタル著作権管理(DRM)実装時に秘密鍵の公開を義務付けている。これに対し,Torvalds氏は「電子署名や暗号化は,悪質なDRMだけに使われるのではなく,優れたセキュリティも実現できる」と反論した。

 同氏は,DRMが適用されると,任意のハードウエアに署名付きLinuxカーネルをインストールしたり実行したりできなくなる危険性を認めた。「しかし,ソースコードの所有権はソフトウエア開発者にあり,変更は自由に行える。署名付きカーネルしか使えないハードウエアがあるのなら,それはハードウエア・ライセンスの問題であって,ソフトウエアは関係ない。そうしたハードウエアの購入を止めればよい」(Torvalds氏)。

 変更された署名付きLinuxカーネルが特定の環境で作動しないことについて,同氏は「有用な場合もある」との見解を示した。「自分でコンパイルしたLinuxカーネル・モジュールに電子署名を施してからディストリビューションに含めたとする。環境によってこれをロードさせなかったり,“汚染されている”と知らせることは良い使い方だ」(同)。

 秘密鍵公開を義務化することに対して,同氏は以下の例を挙げて批判した。「米Red Hatの秘密鍵が公開されると,誰でも自分で再コンパイルしたモジュールにRed Hatの電子署名を付けることができる。こうして作成された署名付きバイナリは,Red Hatが作ったものに見えてしまう。馬鹿げた話だ」(同)。

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[Torvalds氏の投稿]