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 欧州の大学や企業の研究開発部の7団体で構成するコンソーシアムが「GOLLUM(Generic Open Link-Layer API for Unified Media access)」というプロジェクトを通じて,異なる有線と無線リンクへのアクセス方法を統合するAPIの実装を現地時間3月9日に発表した。同プロジェクトは,欧州委員会(European Commission)がスポンサーとなり180万ユーロの資金援助をしている。

 GOLLUMが開発を進めるAPIは,「ULLA(Unified Link Layer API)」と呼ばれるもの。モバイル・メディア・プラットフォームの開発時間とコストの削減,機能と相互運用性の向上を主な目的としている。ULLAは,IEEE802.11,UMTS/GPRS,Bluetooth,Zigbee,UWB,WiMAXといったさまざまな技術に対応。接続マネージャ,携帯電話のUMAエージェント,マルチメディア・ストリーミングといったアプリケーションのプログラミングを支援する。非同期通知のサポートにより,アプリケーションは通信リンク上のイベントに動的に対応できるという。現在,無線センサー,PDA,携帯電話やハイエンドのノート・パソコンまで幅広いプラットフォーム上でテストが行なわれている。

 同コンソーシアムは,ULLAの利点を実証するために「GOLLUM Travel Guide」と呼ばれるデモ・アプリケーションを開発した。同アプリケーションは,ハンドヘルド機上で動作する簡単なブラウザで構成され,都市の情報や観光情報などをリモートのサーバーからダウンロードするもの。ULLAインタフェースは,利用できる接続とその帯域幅をアプリケーションに伝えるため,帯域幅が小さい場合には,アプリケーションはテキストと小さな画像だけを表示する。帯域幅が大きい場合には,大きな画像やビデオを提供する。

 GOLLUMの活動を調整しているRWTH Aachen大学教授のPetri Mahonen氏は,「GOLLUM APIの導入により,通信事業者とソフトウエア・ベンダーは新しい種類のサービスを提供できるとともにユーザーへのサービスを強化できる。端末が無線ネットワークの接続と環境に適応できるため,新しいスマート・アプリケーションの開発が可能になる」と説明している。

 GOLLUM Travel Guideは,ドイツのハノーバーで開催中のCeBITにおいてライブ・デモが行なわれる。

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