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 米IBMは,原子レベルで磁気を観察,制御できる新しい手法「spin-excitation spectroscopy(スピン励磁分光法)」を開発した。IBMが米国時間3月30日に明らかにしたもの。詳細は,科学雑誌「Science」のオンライン版「Science Express」(同日号)に掲載する。

 磁気の観察と制御には,地磁気に比べ最大14万倍強い磁界に対応できる特殊な低温走査型トンネル顕微鏡を使った。IBMの研究グループは,複数のマンガン原子を動かし,磁気の発生源となる原子スピンの相互作用を計測した。

 具体的には,電気的に絶縁状態にある薄膜上で最大10個のマンガン原子を組み合わせ,原子の数を増やすことで磁気的な特性がどのように変化するか調べた。その結果,原子の数が偶数の場合は全体として磁気が消え,奇数の場合に磁気が現れることを確認できた。

 新手法について,IBMは「将来,コンピュータ向け回路やデータ・ストレージが原子サイズ・レベルにまで小さくなった時,解析するための重要な手段となる」と説明。さらに「原子レベルの磁気現象を利用する新しい素材や演算素子の基礎技術となる」(同社)としている。

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