通信および情報サービスを手がける米Level 3は,未公開企業の米ICG Communicationsを買収することで,両社が最終合意に達したことを,米国時間4月17日に発表した。買収総額1億6300万ドル。Level 3社は,1億2700万ドル分に相当する同社の無記名株式と,現金3600万ドルを支払う予定。なお,同社は株式の代わりに,その一部を現金で支払う権利を有する。
ICG社は,コロラドに拠点を置く通信インフラ企業。コロラド州とオハイオ州に光ファイバ・ネットワーク2000マイル以上と,約500のPOPs(Points of Presence)を持っており,ISP,固定線および無線キャリア,企業などにサービスを提供している。
米メディア(InternetNews)によると,同社はその最盛期に米国のインターネット・トラフィックの約10%を処理するなど,全国規模でサービスを展開していたが,2000年にドット・コム・バブルの影響を受けて業績が悪化。米連邦破産法11条を適用した再編プランにより,オハイオ州とコロラド州で業務を再開した。
Level 3社社長兼CEOのKevin O'Hara氏は,「ICG社の経営状態は良好で,顧客基盤も拡大している。当社はICG社を買収することで,サービス提供エリアの拡大とコスト削減を実現できる」と説明する。
同社CFOのSunit S. Patel氏は,「ICG社の年間売上高は約7500万~8000万ドル,キャッシュフローは1000万ドル~1500万ドルだが,買収が完了したらキャッシュフローは約3000万~4000万ドルまで改善するはず」と予測する。
買収は,規制当局などの承認を経て2006年中ごろに完了する見通し。
[発表資料へ]