米Conexant Systemsと米Texas Instruments(TI)は,Conexant傘下の米GlobespanVirataとTIのあいだで争っていた特許侵害および独占禁止法(独禁法)違反に関する訴訟について,最終的な和解に達した。ConexantとTIがそれぞれ米国時間5月5日に明らかにしたもの。これにより,Conexantは2006年第2四半期に現金7000万ドルをTIに支払う。一方TIは,ConexantにDSL関連技術の特許をライセンス供与する。そのほかの和解条件については公表していない。
この係争は,GlobespanVirataが2003年6月にTIを提訴したことに端を発する。このときGlobespanVirataは「TIがADSL技術を標準化する際の特許の扱い方で米独禁法を侵害した」と主張した。これを受けTIは2003年8月に,ADSL特許が侵害されたとしてGlobespanVirataを逆提訴。その後Conexantが2004年2月にGlobespanVirataを買収し,係争を引き継いでいた。2004年半ばに,係争は特許侵害と独禁法違反の2つに分割された。
まず2006年1月4日に特許侵害の審理が始まり,陪審団は2月6日に,GlobespanVirataによるADSL関連特許3件の侵害事実を認め,TIへの損害賠償1億1200万ドル支払いを命ずる評決を下していた。
なお7000万ドル支払いとライセンス供与などで合意したため,2006年10月に審理開始の予定だった独禁法違反に関する訴訟は,すべて取り下げられた。
[発表資料(Conexant Systems,PDF形式)]
[発表資料(TI)]