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 米IDCは,西欧のITサービス市場に関して調査した結果を英国時間5月9日に発表した。それによると,2004年は低調だった同市場が2005年にペースを取り戻し4.6%の成長を達成した。同社は,2006年はさらに成長するが,伸び率は5%前後に止まると予測している。今後は,サービス・プロバイダにとって,激化する競争と安価なオフショアのリソースが圧力になるという。

 同市場の成長は,GDPの伸びのおよそ2倍に相当するが,1990年代後半の成長にははるかに及ばない。同社によれば,サービス業界における成長の半分以上は,外部サービス・プロバイダを導入することによって達成される。英国や北欧などアウトソーシングが普及している国の企業では,アウトソーシングの導入に慎重になっている中欧や南欧に比べて成長が速いという。

 同社シニア・アナリストのMette Ahorlu氏は「既存のサービス・プロバイダを維持するためには,欧州全体で平均5%の成長率は低すぎる。そのため,企業の合併が進むだろう。アプリケーション管理やIPテレフォニといったニッチ部門は急成長を続けているが,大規模なサービス・プロバイダを買収することが,市場平均を上回る速度で成長するための主な手段になるだろう」とコメントしている。

 同社では西欧のITサービス市場が以前のように2ケタ台で成長することは無いが,コンサルティングとシステム・インテグレーションは2005年に西欧全体で調子が上向いており,今後3~4年は6~7%成長すると見込んでいる。

 顧客は,引き続きコストを重要視しているが,効率の良いビジネス・プロセスの構築が第1検討事項に挙げている。そのため,明確な投資対効果検討書をもとに新しい技術やソリューションに投資する余地が残されているという。サービス・プロバイダは,ITによってどのように業務を向上できるかを示す必要があると指摘している。

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