米マイクロソフトは2006年5月21日、プリペイドカードを利用するパソコンの販売モデル「Pay-As-You-Go」の試験を拡大することを発表した。この販売モデルは、サービス提供業者がパソコン本体を割安な価格でユーザーに提供し、ユーザーは月額料金もしくはプリペイドカードによる時間割りの利用料金を事業者に支払うというもの。経済的な理由でパソコンを購入するのが難しい新興市場のユーザーに対して、パソコン導入時の初期費用を抑えることで、Windowsの利用拡大を狙う。ユーザーは一定時間パソコンの利用料金を支払えば、そのパソコンを所有することができるようになる。既にブラジルでは約1年の試験運用をしており、今後は中国、ハンガリー、インド、メキシコ、ロシアなどでも試験を開始する。
Pay-As-You-Goを利用するには、マイクロソフトの「FlexGo」と呼ばれる技術に対応したパソコンを使う。ユーザーがプリペイドカードに書かれた番号をパソコンに入力すると、FlexGoの機能がサービス提供業者のサーバーに接続して利用可能時間を取得。ユーザーの利用時間を計測し、制限時間を過ぎるとパソコンへのアクセス制限をかける。利用時間の改ざんを防ぐためのセキュリティ機能も備える。分刻みで利用分のみを払う方法のほか、月額で料金を払う方法もある。
米AMD、米インテル、米トランスメタといったCPUメーカーのほか、米レノボなどのハードウエアメーカーと協力して対応パソコンを開発する。試験運用をする各国では、通信業者や金融機関との連携を図る。