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 英Vodafone Groupは5月30日,2006会計年度(2005年4月~2006年3月)の決算を発表した。売上高は294億ユーロ(約378億ドル)で,前会計年度の267億ユーロ(約343億ドル)から10%の増収となった。純損失は172億ユーロ(約221億ドル)で,前年度の純利益54億ユーロ(約69億ドル)から赤字に転落した。1株当たり損失は27.66ペンス。前年同期は1株当たり利益8.12ペンスを計上していた。

 営業損失は141億ドル。前年度は営業利益79億ドルだった。また営業活動による純キャッシュフローは102億ユーロで,前年度の92億ユーロから10.3%成長した。

 モバイル通信による売上高は281億ドルで,前年度の257億ドルから9.3%増加。新規サービス契約者が2150万人に達し,前年度の1620万人から32.7%増加した。

 また同社は,すでに発表していた102億ドルに加え,さらに90億ドルを株主に配当金として還元することを明らかにした。このうち60億ドルは,日本事業の売却によって得た金額という。

 同社はさらに,今後の事業戦略を発表した。コスト削減によって欧州地域における売上高の増加に努めるほか,新興市場で積極的な事業展開を行う。また,顧客のコミュニケーション・ニーズに包括的に対応し,製品ポートフォリオの見直しによる収益増を図る。さらに,事業戦略にそった資本構成と株主利益率の実現を目指すという。またコスト削減の一環として,400人以上の人員削減策を明らかにした。

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