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 米Infonetics Researchは米国時間5月30日,世界の企業向けテレフォニ市場について調査結果を発表した。それによると,2006年第1四半期の同市場は,回線交換方式からパケット交換方式へ着実に移行している。同期のTDM(時分割多重)装置の売上高が前期から11%低下したのに対し,IP-PBX装置は1%増加している。TDM装置とIP-PBX装置の売上高合計は21億ドルで前期から2%減少しているが,前年同期からは15%増となった。

 同社によれば,今後VoIPに移行する企業が増加するためIP-PBX装置の売上高がさらに伸びる。2005年から2009年にかけて,TDM装置の売上高は88%落ちるが,IP-PBX装置の売上高は82%増加するという。このため,2009年の企業向けテレフォニ市場の年間売上高は,IP-PBX装置にけん引されて114億ドルに達すると見込む。またハイブリッドPBXが,PBX回線を占める割合は63%だが,2009年までに78%に拡大すると予想している。

 「企業向けテレフォニ市場は,全体的に第1四半期は低調だが,IP-PBX部門は小幅ながら売上高を伸ばすことに成功している。先ごろ北米の450社に音声インフラ計画に関する質問をした結果,確実にVoIPに移行していることが明らかになった。このため,同市場は今後数年間,安定した成長軌道を維持するだろう」(同社アナリストのMatthias Machowinski氏)。

 ベンダー別にみると,EMEA(欧州,中東,アフリカ)地域におけるIP-PBXシステムのトップ・ベンダーはフランスのAlcatel,ドイツのSiemens,カナダのNortel Networksだった。北米のIP-PBX装置市場では,米Cisco Systems,米Avaya,Nortel社が首位を競っている。IP電話市場は,Cisco社がシェア39%を獲得して1位。2位は米3ComとNECだった。

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