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 米IBMが,データベース管理システム(DBMS)の新版「DB2 9」(開発コード名「Viper」)を米国時間6月8日に発表した。7月28日に出荷を開始する。

 DB2 9は,ネイティブXMLデータベース機能とリレーショナル・データベース(RDB)機能を兼ね備える。データ形式やシステムのプラットフォーム,場所などにかかわらず,XMLとリレーショナル・データの両方を同時に処理できるという。「従来の静的なデータベースをインタラクティブで動的なデータ・サーバーに変え,文書,オーディオおよびビデオ・ファイル,画像,Webページ,電子署名付きXMLトランザクションなど,あらゆる種類の情報を容易に管理可能とする」(IBM社)

 「pureXML」と呼ぶ技術を採用し,XMLデータと従来のリレーショナル・データとを連携させて管理する際に,XMLデータを別のフォーマットに変換したり,大きなデータベース用オブジェクトに格納したりする必要をなくした。これにより,データベース管理コストを削減でき,両形式のデータを扱うアプリケーションの開発にかかる手間と期間を減らせるという。XMLデータに対する検索などを行う問い合わせ言語XML Query(XQuery)や,XMLのアドレス記述方法を定義するXML Path Language(XPath)にも対応しており,標準的なSQLと組み合わせて使用できる。

 DB2 9は,新しいストレージ圧縮技術「Venom」を搭載した。「米Oracleの旧式なテーブル・ベースの圧縮ではなく」(IBM社)データ・オブジェクトの圧縮に対応しており,メインフレームで使われているようなデータ・ストレージ圧縮機能を,Linux,Unix,Windowsで利用可能とするという。

 新版の特徴として,IBM社はほかに自動ストレージ管理,自動メモリー管理,セキュリティ,災害復旧といった機能を挙げた。また,Oracle社やスウェーデンMySQLのデータベースに保存されているデータにアクセスする機能も持っている。

 大企業向けのエディション「DB2 Enterprise」に加え,中小企業向けの「DB2 Express」と「DB2 Workgroup」,開発者向けの無料版「DB2 Express-C」を用意する。DB2 Expressの価格は,1プロセサ当たり4874ドルから,または1ユーザー当たり(最低5ユーザー)165ドルから。

 米メディア(InfoWorld)によると,DB2 9 Enterpriseの価格は1プロセサ当たり3万6400ドルからまたは1ユーザー当たり938ドルから,DB2 Workgroupの価格は1プロセサ当たり1万ドルからまたは1ユーザー当たり350ドルからという。

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