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写真 サーバー&ツール・マーケティング担当のGeneral ManagerであるBob Kelly氏
 米Microsoftは6月12日(米国時間),米ボストンで開催中のシステム管理者向けイベント「TechEd 2006」で,クライアント管理やサーバー管理技術のロードマップを明らかにした。サーバー&ツール・マーケティング担当のGeneral ManagerであるBob Kelly氏(写真)は「Windows Vistaには数多くのセキュリティ管理機能が追加され,しかもActive Directoryで集中管理できる。Windows Vistaはクライアント管理をより容易にする」と語った。

 Kelly氏は,クライアント管理で注目すべき製品・技術として「Windows Vista」を挙げ,サーバー管理で注目すべき製品・技術として同日から評価版(Beta 2)の配布が始まった「System Center Operations Manager 2007」や次期サーバーOS「Windows Server Longhorn(Longhorn Server)」(開発コード名)に搭載される仮想化技術,Longhorn Serverに搭載される新しいシェル「Windows PowerShell」(開発コード名はMonad)を挙げた。

 Windows Vistaのグループ・ポリシー機能(Active Directoryによるクライアント集中管理機能)については,USB接続ストレージ(USBメモリー)を管理するデモがあった。Windows Vistaでは,USBメモリーの利用を細かく制御できる。書き込みを禁止するだけでなく,「特定のデバイスIDを持つUSBメモリーの利用だけを許可する」「USBメモリーの接続を禁止する」「ユーザーごとにUSBメモリーに対する書き込み/読み出しを制御する」といった制御が可能になる(図1)。

図1 特定のデバイスIDを持つUSBデバイスの利用を許可するグループ・ポリシー

 サーバー管理ソフトのSystem Center Operations Manager 2007は「Microsoft Operations Manager 2005」の後継製品だ。管理コンソールが一新され,管理対象をサーバー単位だけでなく「データベース」「ビジネス・ロジック」「アプリケーション」といったサービス単位で把握し,それぞれのサービスの連携状態なども管理できるようになる(図2)。今回のデモでは,独SAPの基幹業務アプリケーションの稼働状況も,System Center Operations Managerで管理できることがデモされた。

図2 「System Center Operations Manager 2007」の新しいサーバー管理画面

メモリーやNICを稼働中に追加できるLonghorn Serverの仮想化技術

 Kelly氏は,仮想化技術もサーバー管理の重要な要素になると強調する。Microsoftは「Virtual Server 2005 R2」から仮想マシン上でのLinuxの動作もサポートし始めた。これについてKelly氏は「Linuxに対応することによって,複数の仮想化技術を使う必要がなくなり,Virtual Serverに仮想化技術を一本化できるようになる」と述べた。

 今回のセッションでは,Longhorn Serverが動作する1台のサーバー・マシン(x64プロセッサが稼働)で,「マルチコアの64ビット・プロセッサ上でWindows Server 2003 x64 Editionが動作する仮想マシン」「32ビット・プロセッサ上で32ビット版Windows Server 2003が動作する仮想マシン」「32ビット・プロセッサ上で32ビット版Linuxが動作する仮想マシン」の3つの仮想マシンを同時に稼働させるデモを行った。

 またLonghorn Serverでは,仮想マシンを再起動させなくても,メモリーを追加したり,ネットワーク・インタフェースを追加したりできる。このほかMicrosoftは「System Center Virtualization Manager」という製品も出荷する予定である。これは,OSやアプリケーションが入った仮想ハードディスク・イメージを簡単に作成できるソフトだ。仮想ハードディスク・イメージは「仮想化候補」としてSystem Center Virtualization Managerに登録しておく。そして,それらのOSやアプリケーションが必要になったときに,System Center Virtualization Managerの管理画面から呼び出して,すぐにその仮想マシンを起動できるようにする仕組みだ。

スクリプト環境を強化する「Monad」改め「Windows PowerShell」

 Longhorn Serverには,「Windows PowerShell」という新しいシェルが搭載される。これは,コマンド操作やスクリプトを使った操作に特化したOSのシェルで,開発コード名は「Monad」と呼ばれていた。Windows Serverのコマンドライン・ツールは,バージョンを重ねるごとに増えてはいるものの,まだGUIでできることの全てが,コマンドライン・ツールでできるわけではない。

 Kelly氏は「Longhorn ServerのWindows PowerShellでは,GUIでできる全ての操作が,コマンドやスクリプトでも実行可能になる」と強調する。例えば,Exchange Serverをコマンドで操作することもできる。また「OSの稼働状態を取得し,さらにその情報をグラフ化してJPEGファイルとして出力する」といったことも,コマンドで実行可能になる。

 Kelly氏は「Bob Mugliaが基調講演で語った4つの約束,システムの複雑さを解消する,企業の情報を保護する,ITソリューションでビジネスを拡大する,人々の力を増幅する---は,マーケティング・メッセージではない。これは我々が必ず果たす約束だ。Windows VistaやLonghorn Server,System Centerなどのサーバー管理製品で,システムの複雑さを必ず解消してみせる」と述べた。